カテゴリ:95❜1.17 被災後の話。
昼飯を食べ終わると母は直ぐに避難所へ戻ろうとしました。
でも親父が母に、『何所へ行くのや?』と言った。 母:『避難所へ帰るんやない。』 親父:『なんぼ「一寸、居るだけでええさかい。」と言うたからっちゅうて、そないに早よ帰らんかてええやろ。もう一寸、居れや~。今日の晩ご飯は炊き出しがあるんやろ? それやったらモモンにも食わしたらんかい。』と言いました。 私も温かいものが食べたかったので、『今日の晩ご飯は炊き出しなんか?私も食べたい!』と話に乗っかった。 で、母は夕方まで家にいる事になりました。 けれど・・・あったのです、2時ごろに。 また余震が。 余震は、しょっちゅう、あったのですけれどね。小さいやつが。 そのとき親父は釣り道具をこしらえておりました。 私は水っぽいジュースを飲みながら、お菓子を食べておりました。 母は疾風のごとく表へ飛び出しました。 目にも留まらぬような早業でした。 親父:『今のんは、一寸、大きめやったなぁ。』 私:『うん。一寸、大きめやったなぁ。』 親父:『え?母ちゃんは?何所へいったんや?今の今まで、そこに座ってたやろ!』 私:『居ったで。揺れたんと同時に家から飛んで出たで。』 親父:『早いなぁ。』 私:『うん。メチャメチャ早かった。疾風みたいやった。』 親父:『あないに怖がるんやったら、しゃーないな。一寸、早いけど用意をして送って行ったり。ほんで、お前も炊き出しをご馳走になってから帰ってきたらええさかい。』 と言っているところへ母が家に静かに入ってきました。 親父:『怖かったんか?』 母:『・・・・・・』 親父:『怖かったんか?』 母:『・・・・・』 親父:『怖いことないねやったら、家におらんかい。』 母:『怖いわいな!! いつ頭の上に落ちてくるか分からんのにから!!!』と怒った。 親父:『(笑いながら)怖いねんやったら、「怖い。」と言えや。』 母:『二人で私を馬鹿にしてからに!』 私:『え゙え゙―ぇ゙!何も言うてへんがな!』 母:『ああーぁ!怖い!怖い!々!々!々!』 私:『私かて何も言うてへんがな!』 親父:『放っといたり。1つの事しか目に見えてへんのやさかい。』 しばらくして、母も静かになりました。 親父:『もう直ぐ2時半やな。一寸、早いけど避難所に帰るか?』と母に尋ねた。 母:『ほな、帰るわ。』と、そそくさと家を出た。 親父:『おーい!母ちゃん!モモンの用意ができるまで待ったらんかい!』 私:『ええわ。怖いんやろ。後から追いかけるさかい。ええで。』 と用意が出来次第、私も母の後を追いました。 会話も少なく避難所への道を歩いておりました。 家から30分ほどのところに避難所はありました。 着いたのは3時ごろ。 兄も貰ったスペースに毛布を敷き座っておりました。 炊き出しは4時半頃で、それまでの1時間半、時間をもてあましておりました。 話をしながら時間を潰すにも話し相手が母と兄では全く話が合わないのです。 話す事と言えば『風呂に入りたいな。』くらいしかありませんでしたから。 で、何もする事もなく、ボーっとしておりました。 時間が過ぎるのが遅かったですね。 だって、何にもする事がないんだもん。 4時半くらいまで、ボーっとしておりました。 4時半ごろ、 兄貴が『向こうで炊き出しをしてるから貰うておいでぇ。とん汁やで。』と言ったから、 私も『炊き出しは 兄:『もうやってるで。早く行って貰うておいで』と言うから、 私は周りの人達も誘っていこうとしたら兄が止めたのですよね。 私は何かが、変!と思ったので、 『それやったら、また、出直すわ。母ちゃん、また今度な。ほな帰るわ。』と言って立ち上がると、 兄:『5分だけ待っといて。』と言って外へ出て行ったのですわ。 5分経っても帰ってこない。 私:『ほな、帰るわな。またな。』 母:『まあ待ちぃな。お兄ちゃんが、せっかく取りに行ってくれてんのにから。もう直ぐ帰ってくるわいな。』 私:『いつまで待つねん?日が暮れるで。辻強盗に襲われたらどないすんねん?』 母:『あんなん家に急いで帰らんかてええやないか?もう一寸待ったり。』 私:『あんなん家て何や!父ちゃんと私で、こけてこん様に守をしとんねやろが!今は、父ちゃん1人やねんで。そんなん考えた事あるんか?どないやねん?!』 母:『お前も、直ぐに父ちゃんみたいに怒るねんから!もう!』 私:『あないなこと言われて、怒らん方がおかしいんとちゃうか?』 母:『もう。・・・・・もう一寸待ったて。いうて頼んでるんやない。』 私:『はあ。1分な。』 時計の秒針を見ながら・・・・『はい。1分経過。帰るで。』と言い、母を残して避難所の外へ出ました。 避難所として体育館を開放してくれていた学校の校門の方へ向かって歩いていると。 前方から兄が汁椀を3つトレーに載せて歩いてきました。 兄:『ごめんな。喋ってたら遅くなってしもた。』 私:『誰と喋ってたんや?誰か知った人がおったんかいな?』 兄:『うん。昔な、一寸知った人がおってな懐かしかったから喋っとってん。』 私:『楽しかったか?』 兄:『うん。あの頃が懐かしかった。』 私:『あの頃てなんや?』 兄:『お前に言うても分からん。』 私:『そんなもん言うて見んとわからんやろ。』 兄:『昔の事やから、もうええねん。』 と話しながら、また避難所へと戻りました。 私も我が家に割り当てられた区画に座りトン汁を食べておりました。 その時、母が、 『お前(兄)、えらい遅かったな?』 兄:『うん・・・・。一寸な。』 母:『一寸、何や?』 私:『昔の知り合いに会うて、えらい懐かしいて喋ってたんやと。』 母:『知り合いて誰や?』 兄:『知り合い言うたら、知り合いや。』 母:『知り合いて誰や?言われんような知り合いか?』 兄:『違うわい!名前を知らんだけやないか!』 母の顔が突然、真っ赤になり、『お前(兄)は、まだ、あの女と付き合うとったんか!』と体を震わせ怒りだしました。 兄:『違うがな!あの人の友達やがな、そやからなあ、彼女が元気にしてるんか聞いてただけや。』 母:『お前は、まだ、そないに、あの女に未練があるんか!?』 兄:『・・・・喋らなくなりました・・・・』 私は母と兄の会話など見向きもせず、ひたすらトン汁を食べておりました。 早く食べて帰らなければ、すぐに暗くなりますから。 私がトン汁を食べていると、自分の家の様子を見に帰っていた人が順々に避難所へ戻ってきて、 『え?今日炊き出しがあるのん?』 兄:『うん。向こうで炊き出しをやってるよ。』と言いながら場所を教えておりました。 被災者が次々にトン汁を貰ってきて各区画で食べておりました。 が・・・・突然、出入り口の方から女性が泣き叫ぶ声が聞こえてきました それを慰める男性の声も聞こえてきて・・・・その男性が避難所へ入ってきて中の様子を見るなり、 『それは何ですか? ああ、トン汁ですか? はあ。はあ。ところで、そのトン汁は何所から調達されたんですか?』と出入り口付近の被災者に声を掛けておりました。 被災者は私達の方を指差して『あそこに座っている大きな男の人に教えてもらったんですわ。^^』と言っていた。 避難所へやってきた、 ある男性:『一寸、皆さん、聞いてください!』 皆が、その男性に注目すると、 『今、食べてるトン汁のことは、どうやって知りましたか?』と男性は言った。 私達の周りの被災者達は皆、私達を指差して、 『あそこに座っている人に教えてもらいました。「炊き出しがあるよ。」言うて。』と言いました。 確かに炊き出しがあると言っていたのは兄です。 男性は私達の所へ来て、私の顔を見て、 『見かけない人ですが、どちらから来られましたか?』 私は住所氏名と、その当時の我が家の状況を説明し、トン汁の炊き出しがあるという事で食べにきました。と説明すると・・・ 男性:『そうですか。私は、この避難所の責任を任されている○○です。そういうことでしたら場所を確保する事ができますので、もしもの時は、お父さんと此方へ非難してください。今日のことは大目に見ますから次からは、今後このような事は弟さんには、させないように、お姉さんからもよく言うて下さいね。秩序の乱れに繋がりますからね。』 私:『あの~。すんません。私は妹なんです。今日、家に帰ったら直ぐに父に今日あった事を報告しますんで父から兄に言うてくれるように伝えておきます。』 男性:『え?そしたら、あなたは炊き出しについては弟さん、いや、お兄さんから聞くまで全く知らなかったということですか?』 私:『はい。』 責任者の男性:『あ・・・。そうですか。あのね~。確かに炊き出しをする事になっていたんです。だけど僕が急用で出かけないといけなくなったものですから、時間を遅らせてくれるように言うていたんです。そのことを知っているのは僕と炊き出しをしてくれることになっていた人達しか知らない事なんです。僕の留守中を狙うような事をされると炊き出しそのものを断らないといけなくなりますからね。 妹さん? もし、また何かありましたら、直ぐ僕に連絡してくださいね。 それと、お兄さん?一寸、一緒に来てくれますか?』 と言って兄を連れて避難所の外へと出てゆきました。 避難所の責任者の留守を狙って、炊き出しを企て、強行したのは、 統一協会の信者たちです。 ※一部、加筆しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2020.09.25 18:28:27
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