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統一協会の元信者のメモ

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2023.06.20
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カテゴリ:親父という人。
6人は昼飯を食べながら、

クリスチャンDさん:『この、干しガレイ、は酒に、よう合うねんで。誰が買うてきたん?』

親父:『俺が買うてきたんや。』

クリスチャンDさん:『呑みそうな顔をしてるさかいなぁ。』

親父:『酒の当てやのうて、こないして「おかず」にして食うために買うてきたんや。たまに、ビールは呑むけどな。』

クリスチャンDさん:『イシマ○さんは、あんまり酒は呑まへんの?』

親父:『酒は一寸やったら呑むけどな、俺は酒よりも饅頭の方が好きやなぁ。』

クリスチャンDさん:『甘党かいな。』

親父:『そうや。』

クリスチャンCさん:『ところで、急ぎの話みたいやってんけど、何かあったん?』

クリスチャンBさん:『E牧師の奥さんの事やねんけどな、E牧師が、まだ使えん、ということが分かったさかいな、電話をかけたんや。』

クリスチャンCさん:『使えん、て、どういう事?』

クリスチャンBさん:『E牧師に怪しい教義が、こびり付いてんねん。』

クリスチャンCさん:『そういう事やったんかいな。ふ・・む・・・・』

クリスチャンDさん:『E牧師。向こうは、どんな本を使こうて教えてますのや?』

E牧師:『【聖書】を使って説教をしています。』

クリスチャンCさん:『【聖書】! それやのに何で、また奥さんまで引っかかってしもうたんやぁ。』

E牧師:『いや。いや。最初に引っかかったんは家内なんです。その家内に私が引きずられましてん。』

クリスチャンCさん:『どっちが先でも似たようなものやんか。【聖書】に精通しとかんとアカン者が引っかかったんやさかいな。おまけにウチの教会員も向こうに流れてしもうてるねんからな。副牧師まで「いつまでも、こんな、おかしなった教会に居れるか!」と言うて愛想をつかして出て行ってしもうてるねんからな。あんた、自分が何をやったんか、自覚というものが全く無いやないか!』

E牧師:『はい。返す言葉もありません。』
としょぼくれてしまいました。

親父が、『(クリスチャンAの)奥さん、すまんねんけど、握り飯を、≪おかいさん(お粥のこと)≫にしてもらえんやろか? 胃ぃの具合が悪ぅてなぁ、握り飯は胃ぃにこたえるさかい。』

クリスチャンAの奥さん:『はい。すぐに作ってきますよって、ちょっと待っててください。』

クリスチャンDさん:『(クリスチャンAの)奥さん、私も、≪おかいさん≫にしてもらえるやろか?歳いったら胃ぃが弱なってしもうてなぁ。』

クリスチャンAの奥さん:『はい。すぐに作ってきますよ。』

親父:『面倒なことを言うて、すんまへんなぁ。』

クリスチャンCさんは怒っていた。
脱線していたE牧師はしょぼくれていた。

親父が、『脱線しとった放蕩息子が、つい此間、帰ってきたばっかりやのに、そないに、やいの、やいの言うたるなや。居るとこが無いなって、また脱線してしまうで。』

E牧師:『いや。いや。もう向こうには行きませんから。大丈夫です。』

親父:『ほんまに大丈夫かいな? このオッサンらは、きつぅ当たってくるし、向こうに行ったら優しぃ迎えてくれるから、向こうに戻ったろか。と思うたりせんか?』

E牧師:『戻りません。絶対に戻りません。』

親父:『≪絶対に≫はないで。≪絶対に≫があるとしたら、「生まれてきたら≪絶対に≫死ぬ。」以外の≪絶対≫は無いで。「形あるモノは、いつかは壊れる。命あるモノは、いつかは死ぬ。」それ以外の《絶対に》はないで。』

クリスチャンBさん:『言われてみたら、「そうやなぁ。」と思うわ。あんた(親父)なんでも知っとんなぁ。ほんまに無神論者かいな? 私等から見たらクリスチャンにしか見えへんのやけどなぁ。』

親父:『俺は無神論者と言うてるやないか。』

クリスチャンBさん:『無神論者やと言われても信じられへんでぇ。あんた聖書のとおりに生きてるねんさかいなぁ。』

親父:『俺は聖書のとおりに生きとんのと違うで。人としての道を踏み外さんように生きてるだけや。』

クリスチャンBさん:『そう言われてもなぁ、我々には信じられませんわなぁ。放蕩息子の話がスーっと出るのやさかい。我々にはクリスチャンやとしか思えませんのやけど。』

クリスチャンCさん:『イシマ○さんに聖霊が宿りましたんやろ。』

クリスチャンBさん:『そうやなぁ。ほんまに無神論者やったとしたら、聖霊が宿ったとしか思えませんわなぁ。』

クリスチャンAの奥さん:『お待たせしましたなぁ。≪おかいさん(お粥)≫ができましたさかい、二人で、よそいながら食べてください。』
と言って、お盆に≪おかいさん(お粥)≫の鍋と、茶碗を2つ、乗せて持ってきてくれました。

クリスチャンDさん:『私が、よそいますさかい、こちらへ、いただきましょか。』
と言って、お盆を受け取り、茶碗に≪おかいさん(お粥)≫を、よそって親父に渡しました。

暫く黙って食事をしていました。

クリスチャンDさん:『《干しガレイ》が、おかず、に、なるとは知らんかった・・・・』
と、《おかいさん(お粥のこと)》を食べながら言っていました。

親父:『旨いやろ?』

クリスチャンDさん:『旨いなぁ。』

親父:『焼くヤツが、まだまだ残ってるさかい、帰りに、ちぃと(一寸)持って帰りなはれ。』

クリスチャンDさん:『ぎょうさん(たくさん)買うたんやなぁ。どうやって買うたん?』

親父:『「どうやって買うた。」て、乾物屋に頼んどくんやないか。前もって頼んどいたら、なんぼでも仕入れてくれるがな。』

クリスチャンDさん:『左様か。私も今度、頼んどこ。』

親父:『クリスチャンBはん、あんた、牧師はんの奥さんを、どないして連れ戻すつもりやねん?』

クリスチャンBさん:『E牧師に、もう一回、虎の穴に入ってもろうて、奥さんと、信徒達を連れて戻ってもらう計画やねんけどな。』

クリスチャンCさん:『そんなん事したら、またミイラ取りがミイラになってしまうやろ?』

クリスチャンBさん:『せやさかい、《今後どないしたらええか。》について相談するために来てもろうたんやないか。』

クリスチャンBさん、と、Cさんは、土壺に填まったみたいに、お互いの主張をぶつけ合い偉い言い合いになっていました。

しばらく経って、、、、、

親父が、『早い話が、誰が牧師はんの奥さんの首に鈴を付けに行くか? ということやろ?』
と言った。

クリスチャンCさん:『そうやねんけどな。E牧師が、こんな状態では、奥さんの首に鈴を付けに行ける者はおりませんのんやがな!』

親父:『それやったら、牧師はんを虎の穴に一人で入らしても大丈夫なように免疫を付けたらええだけと違うんかいな?』

クリスチャンBさん:『それが出来たら誰も苦労はせえへんがな!それが出来んようになったから、こないして頭を悩ましてるねんがな!』

親父:『それやったら、今から牧師はんに免疫を付けたらええだけと違うんけー?』

クリスチャンDさん:『話は違うねんけど、イシマ○さんは、なんで、そないにドッシリと構えてられますのんや?』

親父:『ドッシリと構えてる訳やないけどな、あんた等よりは悪の道に免疫が有るというだけやろなぁ。』

クリスチャンBさん:『それやったら、E牧師にどうやって免疫を付けたらええのや?』

親父:『牧師はん。あんたは、あいつ等のどういうところに魅力を感じたんや?』

E牧師さん:『何で、あの人達の仲間になったのか、自分でも、よく分からないんです。』

親父:『何で、あいつ等の所に行くようになったんや?』

E牧師さん:『最初は、家内に付いていったんです。』

クリスチャンCさん:『何しに? 何の為に?』

E牧師さん:『家内が、あんまり、「素晴らしい。」「こんな素晴らしい教会に出会ったのは生まれて初めてです。」「あなたも一度、一緒に行って欲しいの。」と言うものですから、家内について行って見たんです。』

親父:『それでミイラになってしもうたんやな。』

クリスチャンBさん:『なんで、あんな妖の仲間に入ってそもうたんや?』

親父:『あいつ等は、あんた等より、講釈が上手なんやろ。』

クリスチャンBさん:『なんぼ講釈が上手やと言うたかて、口が上手いだけやろ? こないに簡単に嵌るかぁ?』

親父:『あんた(脱線していた牧師さん)は、あの人等の、何に、そないに魅了されましたんや?』

E牧師さん:『何なんかなぁ・・・・』

親父:『あの人等の、どういう話が気に入りましたんや? 一番、心が打たれた話は、どういう話でしたんや?』

クリスチャンBさん:『「何なんかなぁ。」てなんやのん?! 本物を捨てて偽物に走っといて、なんやのん! 』

親父:『そんな、やいやい、言うたるなや。あんた等が、やいやい言うから、嫌になって贋物に走ったんと違うんかいな?』

E牧師さん:『・・・・魅了された。と言うより、共感を覚えた。と言う方が正しいんかな。』

親父:『何に共感を覚えたんや?』

E牧師さん:『救済のための伝導について。かなぁ。』

親父:『救済のための伝導てなや?』

E牧師さん:『信仰を広めるために、はるばる海を渡って、誰も知った者も居らん土地で、一から信仰の基盤を作り上げたんは凄いなぁ。と、思ったんです。』

親父:『信仰て、宗教のことかいな?』

E牧師さん:『そうです。』

親父:『「イエスさま」という信仰があるのに、何でまた、エロスの宗教を信仰したんや?』

E牧師さん:『自分でも、よく分からないんです。気がついたら深みに填まってしまっていました。』

親父:『あんたも、宗教の押し売りをされたんやな。』

E牧師さん:『押し売りをされた。という覚えはないんですけれどねぇ。』

親父:『押し売りをされた覚えもない、のに、怪しげな宗教を掴まされた。というたら、詐欺師に騙されたんと違いうんかいな?』

E牧師さん:『いかに何でも、詐欺師ではないと思いますよ。それは、あんまりな言い方です!(脱線していた牧師さん、抗議の声を上げていました。)』

親父:『ほな、あんたに聞くけどな、向こうが正しいと思うか? こっちが間違うてると思うてるか?』

E牧師さん:『それは・・・どちらも間違ってない。と思います。』

親父:『左様か。ほな、今すぐに、あの人等のとこに戻ったり。』

E牧師さん:『なんで? なんで、そんな極論に至るの?』

親父:『それは、向こうの【聖書】の解釈が間違うとるからや。』

E牧師さん:『【聖書】の解釈・・・・』

親父:『何回も言うけど、【聖書】には、アガペーの愛はあるけど、エロスの愛はないで。』

クリスチャンCさん:『何回も聞いて悪いんやけど、イシマ○さんは、ほんまにクリスチャンと違いますのんか?』

親父:『違う。取り扱い説明書を確り頭に叩き込んでから【聖書】を読んだら間違うた方向には逸れていかへんやろ?』

クリスチャンCさん:『E牧師、あんた、向こうで、どんな聖書解釈を聞かされてましたんや?』

E牧師さん:『《堕落論》が中心でした。』

クリスチャンCさん:『《堕落論》て何?』

E牧師さん:『《堕落論》というのは、アダムとエバは、何故、堕落してエデンの園から追放されてしまったのか。その原因を説明したモノなんです。』

クリスチャンCさん:『アダムとエバが、エデンの園から追放された話が中心なん?』

E牧師さん:『そうです。それが人類が犯してきた最大の罪である。という話が中心でした。』

クリスチャンCさん:『あれは、人間がエデンの園から追放されたときの経緯であって人類最大の罪ではないでしょう?』

親父:『受け止め方によっては人類最大の罪かも知れへんわなぁ。』

E牧師:『イシマ○さんも、そう思うのですか? 😲』

親父:『そら、アダムとエバが知恵の木の実を取って食うたために、知恵が付いて、その後の人間が文明の利器の恩恵に与って生活を豊かにしていったまでは、ええんやけど、人間は際限なく欲をかく生き物やさかい、さらなる豊かさを求めて戦争をはじめた結果、槍、刀、弓矢から、鉄砲、大砲、その後、ダイナマイト、果てには原爆まで作ったさかいなぁ。最大の罪を生み出した。と言えん事もないわなぁ。』

クリスチャンCさん:『だけど人間には理性というモノがあるでしょう?』

親父:『今は戦争も終わって生活が落ち着いてるさかい、それが言えるんと違うか?』

クリスチャンCさん:『それでも私は人間には理性があることを信じたい。』

親父:『あんた、戦争に行ったことがありますのんか?』

クリスチャンCさん:『歳が多いという理由で行かんですみましてんけどな。イシマ○さんは行きましたんか?』

親父:『徴兵のハガキが来たから行かんとしょうがないやん。』

クリスチャンCさん:『え?ハガキ。赤紙と違うのん?』

親父:『赤紙が送られてたんは戦争の初めの時だけで、戦争も終盤になった頃には“徴兵のハガキ”に変わっとった。新兵教育のときにハッキリと、「貴様らの代わりは一銭五厘のハガキを出せば直ぐに集まる!」言われたさかいな。』

クリスチャンCさん:『しごかれたん?』

親父:『新兵は、みんな、しごかれるで。起床ラッパが鳴ったら、直ぐに起きて、ハンモックを素早く畳んで、確りと括って、素早く集合せんとあんねん。10番以内に入らんかったら樫の棒で思いっきりケツを、どつかれるんやから、痛いでー。』

クリスチャンCさん:『イシマ○さんは10番以内に入られんかったん?』

親父:『ベタにはなったことないけど、真ん中へんかなぁ。』

クリスチャンCさん:『なんで?』

親父:『班の教範係やったから、班の新兵の面倒を見たらんとアカンがな。自分で全部、出来る新兵やったらええけど、俺の班だけ出来損ないの新兵ばっかりが寄り集まってきたんやがな。』

クリスチャンCさん:『なんでーぇ?』

親父:『何でか、俺にも分からん。あいうえお順に順番に、より分けて行ったら、出来損ないばっかりが寄り集まって、そいつ等の面倒を俺が一人で見なあかんようになってしもうたんやがな。』

クリスチャンCさん:『なんで――え━━━(゚o゚〃)━━━!!!?』

親父:『そんな事、知るかいな。ただ、最後に残ったんが俺と同じ苗字の男やって、その男の方が締まりのある顔をしとったさかい、別の班長が、「うちはこっちを貰うわ。」と言うて、もう一人の、やま○と、を連れて行ったんや。それで、俺が一人で出来損ないの新兵の面倒を見んとあかんようになってしもうたんやがな。面倒を見るというても、一から十まで、全部、見たらんとアカン様な人等やったからな。テンカン持ちに、寝小便こきに、ぜんそく持ちやら、真面な新兵は一人も居らんかったんやがな。』

クリスチャンCさん:『真面な新兵はイシマ○さんだけやったんやな。』

親父:『出来損ないの新兵ばっかりやと言うても、海軍は、そんなこと容赦ないからな、班の人間がトロクサイ奴ばっかりやから、毎日、必要以上に、しごかれとったがな。新兵の中でも俺が、一番、ようしごかれとったんと違うか?』

クリスチャンCさん:『イシマ○さんは海軍やったんかいな。舞鶴におったん?』

親父:『広島県にあった大竹海兵団で新兵教育を受けた後、呉に配属されましたんや。』

クリスチャンCさん:『どんな艦船に乗ってましたんや?』

親父:『艦には乗ってないねん。』

クリスチャンCさん:『丘勤務やったん?』

親父:『学校を卒業したら戦艦大和に乗るはずやったんや。』

クリスチャンCさん:『イシ○ツさんは海軍兵学校に行ってたん?!』

親父:『俺が海軍兵学校に入れるわけないやんけーぇ。呉鎮守府から「成績優秀につき 呉海 陸軍砲術学校に入学を命ず」という辞令がきたから学校に入ってんけどな。そこで死にかけた。』

クリスチャンCさん:『なんで学校に入って死にかけたん?Σ(゚д゚;)』

親父:『砲術学校に入学してきたんは全員が一等兵やってんけど、全員が新兵というのではなかったんや。』

クリスチャンCさん:『一寸、聞くねんけど、二等兵と一等兵は、どない違うのん?』

親父:『兵隊になるための教育を受けてるときは二等兵で、いうたら、二等兵というのは兵隊の見習い期間中で本当の兵隊ではないねん。本当の兵隊は一等兵からやねん。』

クリスチャンCさん:『左様か-。私らは兵隊に行ったことがないさかいなぁ。知らんかった。話の腰を折ってそもうてすんまへん。』

親父:『砲術学校に入学してきた一等兵の中には古参の一等兵も若干名おったんや。その古参の一等兵が新兵が食べるはずの飯を横取りしてしまいよったんや。せやさかい、俺等、新兵は飯も食わんと、毎日、過酷な訓練と勉強の日々やった。』

クリスチャンCさん:『「新兵の飯を削る。」て、どないして削るのん?』

親父:『アルミ製の皿に少々の飯をよそうて、スプーンで、その飯を皿の上に均等に極限まで薄ーく、ならすように広げたら、もう一枚のアルミ製の皿を重ねて、体重を掛けて、飯を押し固めたら、次に、アルミ製の飯を盛る器を確りと押さえつけて、アルミ製の器の縁に飯を張り付けたら、皿と茶碗を正位置に戻して、上手に茶碗から皿を外したら、上手いこと茶碗の縁に飯の幕を張ることが出来る。その上に、パラパラっと飯粒が撒かれてあったら、ちゃんと一人分、飯が盛られてると思うやん。口で説明しても理解しづらいやろうから実演さしてもろうても宜しおまっか?』

クリスチャンAさん:『何と何を持ってきたら宜しいかいな?』

親父:『皿を2枚と、茶碗を一つ、と、握り飯を、一寸、もうろうたら実簡単に演できるさかい。』

クリスチャンCさん:『ほんまに?』

親父が実演をはじめた。
《お茶で1枚目の皿の表を濡らし、その皿の上に少々の飯を出来るだけ平らに広げて、二枚目の皿は裏面を濡らし、飯を平らに広げた皿の上に重ねて、体重を掛けて押さえつけた後、二枚目の皿を取ると、飯粒を潰すことなく、ご飯同士が “炭酸せんべい” のように薄くくっついていた。次ぎに、“炭酸せんべい”のように伸ばし固めた飯の上に茶碗を置き、型抜きをするように力を入れて押さえてけて、捻るように、茶碗を皿から外すと、見た目だけは、如何にも茶碗に普通に飯が盛り付けられているかのように見えた。》

クリスチャンCさん:『へぇーーー! 見た目は確かに飯が盛られてるように見えてるわなぁ。』

クリスチャンBさん:『そやけど、給食当番は輪番制やろ?』

親父:『一応、規則では、そうなっとったんやけど、訓練が、あまりにも過酷やったから、古参の一等兵が、平等な飯では辛いもんやから、新兵の飯を横取りしたんやがな。新兵の飯を横取りするために、古参の一等兵だけで給食当番の順番を作って、新兵には絶対に給食当番をやらさんかった。』

クリスチャンCさん:『それで、どうなったん?』

親父:『真面に飯も食わんと、朝も暗い内から過酷な訓練と勉強の毎日やったから、しばらく経った辺りから、毎晩、寝てる間に一人ずつ死んでいったんや。しかも、みんな新兵ばっかりなんや。「次は俺の番かも知れへんなぁ。」と思うてたら、次の日に、呉海軍病院から軍医が来て、「全員、衣服を脱いで整列せよ。」と言うたから、裸になって整列して自分の体を見たら骨と皮になっとった。痩せてる顔ぶれを見たら、みんな、新兵だけがガリガリに痩せとった。』

クリスチャンC『それから、どうなったん?』

親父:『軍医が、ガリガリに痩せた兵隊の前に立って、「入隊時の体重は何貫目あったか?」と質問しとった。軍医が俺の前に立って、「入隊時の体重は何貫目あったか?」と聞いたから、入隊時の体重を申告したら、軍医は「向こうの列に並べ。」と言うたから、その列に並んだら全員がガリガリに痩せこけた新兵ばっかりやったんや。』

クリスチャンCさん:『その後、どないなったん?』

親父:『その後は軍医に付いてきとった衛生兵に、認識番号と、入隊時の体重を申告して、今現在の体重を計るために体重計に乗ったあと、列に戻って整列して待っとったら、軍医から、「衣服を着用し、速やかに下山せよ、途中、絶対に人に見られてはならん。」という命令があったから、人、一人がやっと通れるような山道を急いで下りたんや。』

クリスチャンCさん:『山を下りて何処へ連れて行かれたん?』

親父:『山を下りたら呉海軍病院の敷地内に出てきたんや。ほんで、一緒に下りてきた衛生兵が、「呼びに来るまで此処で待っているように。」と言うて病院の方に歩いて行って、病院の中に入ってから、暫く待っとったら別の衛生兵が呼びに来て付いていったら、病室に案内されて、直ぐに寝間着に着替えさせられて、「ベッドに寝とくように。起きてはならん。これは命令である。」と言われて、それから食っちゃ寝-。食っちゃ寝ー。しとった。』

クリスチャンCさん:『取りあえず病院に入院することが出来てよかったなぁ。』





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Last updated  2023.06.20 22:18:35
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