カテゴリ:歴史/考古学/毛人
古立中村、八木連荒畑の両遺跡の甕を分類した。
鏑川上中流域のエリア区分 鏑川上中流域の弥生集落分布 分類結果 「古立ー八木連」 土器分類の類型(在来系は「おぢさん」シート、外来系は「成塚向山」シート参照) 鏑川上中流域弥生後期4期~古墳前期土器分類 編年作業試行段階から気になっていた「く」字形に屈曲する短い頸部を今回から「形態:6」として分類することとした。既に分類作業を終えた遺跡に関しても順次この変更を反映する。以下はこの形態として分類した台付甕。 〔左〕29号住居 台付甕6 [A6Rb]、〔右〕29号住居 台付甕8 「く」字という迄はいかないが、この程度の屈曲を含む短めの頸部がこの分類の対象となる。台付甕は頸部が短く強く屈曲する場合が多いので、この分類が多くなると予想される。底部が欠損しているが、同じ29号住居の8のような台部がつくと推定した。 残存部が少なく分類不能なものが多いが、それ以外では、やや開く頸部を持ち櫛描文が施された A1Ra のタイプが 1/4 以上を占め一番多い。次いで頸部輪積みで櫛描文の B1Ra が多い類型となっている。 櫛描文施文の甕が主体の住居が大半を占めるが、縄文施文が主体の住居(八木連荒畑8号住居)や、混在する住居(八木連荒畑6等)が見受けられる。縄文主体の八木連荒畑8号住居に於て後出的なA'3の甕が出土していることを考えると、古立―八木連エリアでも櫛描から縄文へという時期的な変遷があったと考えられそうだ。八木連荒畑8号住居ではG4の甕も出土しているが、こちらは混入の可能性が高いと思われる。 〔左〕八木連荒畑8号住居 甕18 [B1Pa] 〔右〕八木連荒畑8号住居 甕15[A'3] 甕18は台付の可能性もありそうだ。頸部は箱清水系の弓なりに括れる頸部「形態:5」と少し迷った。甕15は科野でいうハケ調整くの字甕に属するものか。 図版はすべて以下調査報告書から採った。 妙義町遺跡調査会/編 1990『古立中村遺跡 古立東山遺跡 八木連狸沢遺跡 八木連荒畑遺跡』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.12.18 21:11:24
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