皆さ~ん、酸ヶ湯温泉はどこにありますか・・・?、何と読みますか・・・?難しいですね。
日本には難解な読み名が沢山あますが、正解は青森市郊外に位置し、『すかゆ』と読みます。
青森市内から十和田湖方面に向かって車で約45分、八甲田山中の一軒温泉宿です。
十和田八幡平国立公園の北部、八甲田の主峰大岳の西麓に位置し、山道を右に左に曲り登って標高900mで到着。過去、観測史上真夏日の30°Cを超えた日が無い地域です。
今日は桃の節句、ですが津軽海峡は風と雪の通り道で例年なら4~5mも積雪が残る温泉場。
でも温暖な今年は青森雪まつりが中止になる程の小雪、難儀せず湯治場へ行けたようです。
昭和29年に国民保養温泉第一号(指定には温泉資源と自然環境に恵まれていることが必須で、現在86ヶ所が指定)に指定された、昔ながらの純朴さが残るあったか温泉湯治場です。
ここは出張で青森-八戸間を移動する途中(八甲田山越えになり冬季間は閉鎖)、雰囲気に引かれ何度も利用した温泉場。
イワツバメが飛来するシーズン、屋根裏でブンブン羽音が飛び交うのが風物詩になっています。
300年もの昔から続くひなびた温泉、酸ヶ湯を語るには総ヒバ造り千人風呂が欠かせません。
千人も入れる大きな風呂という意なのでしょうが、実は80坪の浴場内には浴槽の底から源泉が湧く『熱湯』、それを少し水加減した『四分六分の湯』、滝湯(打たせ湯)、冷え湯など5つの風呂が用意されています。そしてここは脱衣所は別々でも、いまどき珍しく混浴が呼び物。
冬場は湯気で1m先も見えませんが、春ともなると浴場全体が見えるようになり、当然、若い娘や外国婦人でも入っていようものなら、不心得者が必ず出現するのが世の常、頭痛の種でした。
現在では常連客を中心にして、日本混浴を守る会なるものが'04年に発足、入浴3ヶ条を作ってマナーの向上に努めているそうです。
凡例:初代の男子代表はスキーヤーの故三浦敬三氏、二代目は写真家浅井慎平氏です。
泉質は舐めると酸っぱい酸性硫黄泉、神経痛・リューマチ・神経炎など幅広く万病に効果があります。自炊湯治が本来の温泉ですから、病気持ちの方は10日以上の滞在をしたいですね。
四分六分の湯をコップ半分飲み、頭からビニール袋を被っての滝湯も楽しいものです。
ブナ帯とアオモリトドマツ帯の境界線付近に位置している酸ヶ湯温泉、だから風光と四季は変化に富み高山植物も多く、清涼な高地は学術上高く評価されているようです。
冬場はロープウェイで樹氷観光も良いのですが、出来れば山岳スキーツァーに参加してもらいたいもの。ガイドが付いて体力・技術に合わせたコースで楽しむことが出来ます。(このツァーメンバーが2月14日雪崩に遭遇、2名死亡8名重軽傷とのこと、自然は厳しく侮れないものです)
また、この場所を何度も往来して感じることは、新緑や紅葉シーズンは間違いなくベストです。
しかしながら車往来が少なくなる晩秋、しかも黄昏時、落葉が道路一杯に敷き詰められた光景が気に入っています。これも加齢からなのでしょうか・・・?
明治35年の日露戦争2年前、ソ連軍の進攻に備えた陸軍の雪中行軍訓練で、青森連隊193名が凍死(17名救出)するという痛ましい現場も近くにあります。(映画・テレビ化された新田次郎作『八甲田死の彷徨』を参照。『国家の品格』の数学者藤原正彦氏の父親作です)
次回は『ワクワク旅の準備について』を予定しています。 |
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.03.03 06:26:46
コメント(0)
|
コメントを書く
もっと見る
|
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
エラーにより、アクションを達成できませんでした。下記より再度ログインの上、改めてミッションに参加してください。
x
カテゴリ
(6)
(113)
(27)
(6)
(15)
(33)
(5)
(6)
(10)
(19)
|
バックナンバー
2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
|
|