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カテゴリ:疾病
子宮筋腫手術は全摘と筋腫の部分だけを摘る核出手術がある。 また通常の開腹手術以外に最近ではより患者負担が少ないが、より技術も必要な腹腔鏡での核出手術を実施する場合が増えている。 どちらにしても手術は術者の腕によるところが大きいので、患者としてはよりよい医療機関および医師の選択が重要となる。 モニター画面を見ながら行う腹腔鏡手術(東京都大田区の東邦大医療センター大森病院で) 東京都の会社員B子さん(32)は昨年夏、がん検診のため、初めて近所の産婦人科を受診し、子宮筋腫(きんしゅ)が見つかった。 東邦大医療センター大森病院で精密検査を受けた。筋腫は数個あり、最大で6・5センチあった。 「太ったと思ったら、実は筋腫のせいで、おなかを触ると分かるほど大きくなっていました」。治療するかどうか悩んだ。 根治には、子宮全体を摘出する全摘手術しかない。手術について国内の指針はないが、米国産婦人科学会は、子宮全摘手術を行う目安に〈1〉無症状でも、おなかを触って分かる大きさで、患者が不安を感じている〈2〉貧血を起こしている〈3〉下腹部や背中の痛み、頻尿の症状がある--を挙げる。 同センター産婦人科教授の森田峰人さんは「良性なので、医師側が『絶対に手術が必要』と判断することは少ない。症状のつらさや年齢、将来の妊娠・出産の希望を総合して、患者自身が決断する場合が多い」と話す。 手術には、全摘のほか、筋腫の部分だけをとる「核出手術」もある。子宮を温存でき、妊娠・出産を望む人、子宮を残したい人に適用される。ただ、筋腫の数が多い場合や大きすぎると対象にならず、治療後に再発する恐れもある。 筋腫と比べまれだが、同じ子宮筋層には悪性腫瘍(しゅよう)(子宮肉腫)ができる場合もある。B子さんは、悪性腫瘍の恐れはほぼないことを血液検査や画像診断で確認し、症状もないので主治医の浅川恭行さんから「経過観察もできます」と説明を受けた。 だが、筋腫が将来の妊娠を妨げる可能性や、「今後、大きくなれば症状が出る場合もある」と聞き、核出手術を受けようと決めた。 通常の開腹手術では、おなかに大きな傷ができる。そこで、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けることにした。腹部に数ミリの穴を3、4か所あけ、小型カメラ(腹腔鏡)や手術器具を入れて行う。傷が目立たず、手術後の回復も早い。 開腹手術でも腹腔鏡を使った場合でも、核出手術は、全摘手術と比べ、操作が複雑で手術時間が長く、出血量も多い。B子さんは出血を減らすため、半年間、注射薬で筋腫を小さくする治療をしたうえ、今年3月、腹腔鏡を使った手術を受けた。3日後には退院した。 ただ、腹腔鏡手術は、直接患部を触れたり見たりできず、技術が未熟だと膀胱(ぼうこう)などを傷つけ、後遺症を起こすことがある。 日本産科婦人科内視鏡学会は、技術認定医制度を設け、ビデオでの実技審査で約200人の医師を認定している。手術を受ける際、施設を選ぶ目安になる。 子宮筋腫の腹腔鏡手術 読売新聞「病院の実力」シリーズで昨年10月、技術認定医に、手術実績や得意分野をアンケート調査した。結果は、ホームページ(http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/jitsuryoku/)、読売ウイークリー臨時増刊「病院の実力。2007」(550円)に収録している。読売新聞販売店YCや書店で販売している。 [出典:読売新聞]お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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