8日は手絞りの伝統的な技法と染めを観るために、京都絞り工芸館へ。能登の工房で絞りを始めたのは1995年頃から、妻が手縫い手絞りで草木染めの模様を染め始めた。今更であるが、実のところ当時の妻は絞りの基本や伝統的な模様を学んだことがなかった(笑)
私たちは有松絞り会館へは3度行っているが、妻が京都絞り工芸館を見学するのは初めて。どちらも長い歴史のある絞り染めだが、有松鳴海絞りは木綿の産地が背景にあって藍染めが盛んだったし、京都は絹の着物文化が続いていたので表現にはそれぞれに違う特徴がある。
京都絞り工芸館は絵画文様のパノラマ展示を定期的に変えており、私は何度来ても楽しんで観ている。全て手絞りの化学染料による染め模様だ。
中京区油小路御池下式阿弥135-5 二条城近くの細い道にある
しっかりとした図案と色彩計画によって染められた絞り模様の大作
全て手絞りで模様が構成されている
絹の着物全てに手絞り模様の訪問着
もちろん詳しく説明してもらえる 手前は桶絞り(桶から出た部分を染める)
これはタコ絞りというらしい(^^ 吸盤部分だけ染まる
絞りの歴史の中 1528年に「辻が花染め」という記録が載せてある
正倉院に保存されている染め模様の三纈さんけちの技法は有名だが、夾纈きょうけち(板締め)、纐纈こうけち(絞り染め)、臈纈ろうけち(ろうけつ染め)で、現在も行われているのは糸などで絞る纐纈が多い。
木綿は江戸時代に栽培が広がり藍染めの産地とともに絞り模様が広まって、友禅模様も明治時代に化学染料が輸入されたことによって模様は飛躍的に多彩な表現が可能になった。そして前述の辻が花模様は室町時代に流行したが江戸時代の奢侈禁止令などによって贅沢な絞りは染められなくなり、昭和の時代に化学染料によって染められ《幻の辻が花模様》として流行したのだった。
能登の工房の草木染めを教えた私は手描きとロウケツ染めが専門で、絞りは本で見たり聞きかじりの知識しかなかった。酷いのは手縫い絞りの図案を描いた私は、まったく針仕事も出来なくて(笑) 工房ではそれらを知らないために絞りの方法を探して工夫するしかなかったが、そのため失敗も多かった(^^;
そして30年ほど過ぎた令和になり、私は新たに《草木染めの辻が花模様》を染める・・・のだ(^^)
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