状況を変える―これまで、これから (6)
子どもの頃、芥川龍之介や太宰治などの名前を知って、何で人は自殺するんだろうと思った。自分だったら、絶対自殺なんてしない、精神的に追い込まれたら、その状況から抜け出すように努力すればいいのにと思う。しかし、自分も何十年も生きてきて、大変なこともあった。つい最近も、先の(もう過去のことになった)学校での状況にいたたまれず、退職して、別の学校に移った。新しい学校は、前のところから30㎞ぐらい離れていたので、引っ越しもした。身軽な単身赴任生活。アパートは家具家電付きだ。しかし、社会環境は目まぐるしく変わる。新しいアパートは、スマホを使ってドアを開け閉めするようになっていた。それが、いくらやっても開かない、閉まらないであせった。電話でアパートの運営会社に聞いたら、ドアの建付けの問題だとのこと。つまり、きつくて開かないのだそうだ。言われたとおり、一旦ドアを強く押してから、操作したら簡単に開いた。今では、別のやり方、スマホを使わないで、パスコードを使ってドアを開け閉めしている。鍵を使うより、ずっと便利だ。世の中には高齢者になっても、現役で働いている人がたくさんいる。テレビで見ると、農業などの自営業の方が多いのかなと思う。自分のように、新しい会社に就職するというのは珍しいのかもしれない。とにかく、ITを活用するなどして、めまぐるしく変わる社会環境に対応するのが、大変だ。日本語教育の業界においても、4月から認定日本語学校、登録日本語教師の制度がスタートする。認定申請をするときに、設置者、校長、主任教師などがヒアリングに呼ばれるそうだ。前の学校の設置者は、日本語学校は日本に入るための単なる入口にすぎないという考えだったが、そんな考えで大丈夫なのかな、と思ってしまう。ただ、認定や登録を受けるまで、5年の猶予がある。まず、自分のことを心配しよう。