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私訳・源氏物語

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July 20, 2009
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三月の十日あたりに、ご安産で男皇子がお生まれになりました。

御産養いなどの儀式のために、明石女御の御殿に移られます。
紫の上も、明石女御のもとへお渡りになりました。

「白き御装束し給ひて、人の親めきて、若宮を、つと抱きて居給へるさま、いとをかし」

 お産のために白装束をお召しになり、若宮をしっかりとお抱きになるご様子は、
もうすっかり母親らしいお姿で、それがほんとうにうつくしいのです。

 紫の上はご出産をご存じないので、「いとめづらかに、美し」
たいそう珍しく美しいとお思いでした。

「むつかしげにおはするほどを、たえず抱き取り給へば、まことの祖母君は、たゞまかせたてまつりて、御湯殿のあつかひなどを、仕うまつり給ふ」

 まだお首のすわらない赤子を絶えずお抱きになられるものですから、
ほんとうの祖母君の明石の上は、養祖母の紫の上に若君をお任せ申し上げて、
ご自分は御湯殿のお世話をなさいます。

 私は明石の女御が「人の親めきて、若宮をつと抱きて居給へるさま」に、
作者の観察眼の鋭さを感じてしまいます。

 女御と皇子を中心にして、紫の上と明石の上の役割分担が自然にできるのは、
明石の上の謙遜で慎ましい喜びによるものなのでしょう。






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最終更新日  March 9, 2017 09:14:13 AM
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