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カテゴリ:源氏物語
「しかしここよりも人少なな所は、あるだろうか」 「仰せの通りでございます。 昔私が世話した女房が尼になっております東山のあたりに、お移し申し上げましょう。 と申し上げて、まだ薄暗い明け方にまぎれて、西の対に御車を寄せます。 源氏の君は女君をようお抱きになれませんので、 女君はたいそう小さくて、死骸ですのに気味悪さもなく可愛らしげなのです。 「さあ、御馬で二条院へお帰りください。夜が明けて、人が起きてこぬうちに」 と、自分の御馬をたてまつります。 そして右近を車に乗せ、思いもよらぬ葬送なのですが、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 7, 2017 06:56:50 PM
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