男のコンサート~音と背中で~ Vol.7 参加しました。
A Concert of the men, by the men, for the men.こういうこともちらしに書いてあります。東京都文京区、有楽町線江戸川橋からすぐ、地蔵通り商店街のなかの、ピアノ・パッサージュというところへ行きました。http://www.pianopassage.jp/ここの場所は、スタジオを借りて、ピアノの弾きあい会をするときに伺うこともあります。ここ2-3週間でいろんなところでピアノ弾きましたがそういう方々とこっそり・・・ということもありました。こちらのお店の方は、なんとなくそういうことをお見受けされているみたいで、受付は顔パス状態でした。歌舞伎役者ではありませんが、男の人限定、そういう強いこだわりのなか、さまざまなパフォーマンスを拝見しました。パパと小学生の親子連弾、男子大学生ピアノサークル双子の演奏、おみごとでした。小学生の男の子の演奏をいくつか聴きました。フォーレのドリー組曲の子守歌(連弾プリモ)、ヘンデルのサラバンド、モーツァルトのピアノ協奏曲23番2楽章のソロパート、この時期にスタインウェイの状態のいいピアノで演奏できるのは、恵まれています。自分の意志でてているかどうかは定かではないものの、まわりのサポートそのものに尊敬の念でいっぱいでした。 12月中旬からシューベルト+メンデルスゾーンの組み合わせでいろいろ弾いてきましたが、たぶんそういうことをするのはここで最後。練習してそれほど日がたっていない曲と半年以上弾いた曲を組み合わせることには、苦心することが多いことにも気付きましたが、これは貴重な経験でした。どこでも同じプログラムにすることなく、持ち時間にあわせて少しずつ変化させることで、たとえ同じ人が聴きに来られることがあっても・・・とならないように、自分なりにも考えました。今回は1/4と同じ聴き手が3人、本を見たり、弾きなおしたり、いろいろありましたが、ここのスタインウェイは正直な音でとても弾きやすいです。そういう場所で弾けてよかったです。いろんな方にも感想うかがえましたが、小学生ピアニストのお母さん方と、妙に会話がはずみました。私自身の今に至っているいきさつや小学校のときにどんな曲をやっていたんかとか、どれくらい練習していたのかとか、やはり興味あるのは当然かと思いました。たいていの方はピアノは弾いていたかたのようで、あまり小中学生が選ばない無言歌集の曲目や、即興曲もop.90-2,4、op.142-3は弾いたことがありますが・・・という会話になったりもしました。この会に参加したのは、Vol,2の2年前の5月以来ですので、1年半以上たっていましたが、こちらのピアノサロンが総力を結集させて、つづけているなか進化していることを肌で感じました。出ていないときネットで出演者のプログラムを見ていたりもしましたが、それだけではわからないこともたくさん。音楽をいかに楽しむかという本質をわかった方々が運営するとこうもすばらしいパーティになるのかと実感しました。いちばんびっくりしたのは、プログラムでクーラウのソナチネアルバムにある曲を弾かれた方。そのときはちょっとたどたどしかったので、忙しいなか練習されているのかなあ・・・とおもっていたのですが、2次会で宴たけなわになったころ、突然ビリー・ジョエルのピアノ弾き語りがはじまり、ニューヨークの思い出、オネスティ、素顔のままでを完璧な披露され、おいしいところをみんなもっていってしまった感じになったこと。弾き語りの曲を本プログラムにいれず、どこで弾けばいいかわかっている、本当の意味でのエンターテイナーだと思いました。すばらしかったです。BGM:メンデルスゾーン ロンド・カプリチオーソ op.14 厳格な変奏曲 op.54 ピアノ:マレイ・ペライア10年くらい前、NHKでも放送されましたが、彼のメンデルスゾーン無言歌集のコンサート、 いまだに印象に残っています。好きなピアニストのひとり。このCDのライナーノーツ、吉井亜彦さんのピアニストのセンスのよさについて、「大向こうを意識した派手なアクションで目立とうとする者が、必ずしも勝利者になるとは限らない。また、大声でしゃべっている者が、常に真実を語っているとも限らない。・・・・・・・・・・外観的な要素よりも内面的な要素が最終的には優勢になる「芸術」という創作活動の分野においてはなおさらのことである。・・・・・・・・目立ちたがりではなくても、ゆたかな内容であれば、いつかひとびとに認められるようになってもおかしくはないし、また、たとえ大声の持ち主ではなくても、しゃべるべき内容を持っていれば、いつかひとびとに認められるようになってもおかしくはない、と・・・・・・・。」たぶんこういう傾向のピアニストを自分は好んでいるのだろうと、とてもよく表現されているとおもって引用しました。ロンド・カプリチオーソ、メンデルスゾーン15歳の作品。いろいろ言う人はいるけど、やっぱり天才だと思っています。素直な作風が好きで、素直に弾けるようになりたいと思っています。素直な面がありますねと、私のことを先日語ってくださったことを思い出しながら模索してみたくなりました。