Q国人女性と
X国人青年と
久しぶりに色々とおしゃべりする予定で入った喫茶店で
思いがけない状況を見聞きしてしまい
つもる四方山話どころか
日本、Q国、X国文化の話しになるどころか
X国人青年の職場での話しになってしまいました。
彼は日系人。
労働力不足を補うために
日本政府が採った方針で
日本人が嫌がる仕事に就いている。
いわゆる3K
きつい、汚い、危険
彼の場合は
危険と汚いはないそうだが...
「日本人は僕たちを邪魔者だって呼ぶ」
「えっ?」
「日本人の仕事を取るって。
稼いだ金を国外に送金しているって」
「だって、日本人の若い人が嫌がるんでしょ?」
「そう。たまに日本人も若い人が入ってくるけれど、
一週間もいないでやめる」
「じゃ、誰が、邪魔者扱いするの?」
「日本人の班長とか工場長」
「同僚じゃないんだ」
「同僚には、日本人いないから」
「へぇ~!」
「同僚は、僕たちの国の人達と
Q国の人達」
Q国人女性が言った。
「私の国の人もいるの?」
「うん...、ごめんなさい、でも...
Q国人は、仕事しない」
「はっ?」
「Q国班とX国班があって、
やってることは同じなんだけど、
僕たちは時給制と出来高払いで、
だから、残業して、能率良く仕事すれば
余分に稼げる。
Q国人は3年間でいくらって最初から決まっている」
「あっ、もしかして、研修生?」
「そう。だから、Q国人は仕事しない。
ゆっくりやっても同じ給料だし
残業するなんて損」
「だから、日本人の班長は
Q国人達にすぐ怒る。
日本人、いつも、さっきの人みたいな調子。
さっきの人みたいに
怒鳴るし、言葉が悪い。
ばかやろう、とか、てめぇらとか
○○なんだよぉとかね」
「で、X国人達には?」
「僕たちには邪魔者とは言うけれど
言葉も悪いけれど
怒鳴りはしない」
「そうなんだぁ」
「そういうのって差別じゃないのかなぁ」
「研修生って、そうなんだぁ」
なんて感じ...
「怒鳴ったりするのはまだいい
きこえるから、嫌だけれど。
でも、僕たちが怒鳴られているわけじゃないし...
班も違うから
口はさみたくないし...」
「ただね、Q国人も変、日本人も変」
「どうして?」
「時々、日本人の班長がQ国人を殴る」
「殴る?!」女性二人、声を合わせてしまいました。
「なんで?」
「仕事が遅いとか、きちっとやってないとか
仕事のことで」
「じゃぁ喧嘩になるの?」
「ならない。
Q国人達、みんな下むいて
誰も何も言わなくなる」
「X国人は、大丈夫なの?」
「うん、一度もそういうことない。
たぶん、顔つきが違うから?
Q国人は、日本人と同じ顔だから?」
「うん、そうかも...」としか、答えられませんでした。
だって、
わからない...
「僕たちX国人だったら
殴られたりしたら、
みんなで日本の警察に行くけれど
どうしてQ国人は警察に行かないんだろう。
どうして仕事やめちゃわないんだろう。
研修生だから?」
またしても
「うん、そうかも...」としか、答えられませんでした。
X国からは個人の意志で就労に来ている。
Q国からも同じなんだけれど
よくわからない、
研修生システムという形で
低賃金労働者を集めているという政策?があるらしくて
X国からは、日系人には就労ビザがおりるけれど
Q国からは、単純労働には就労ビザがおりない、らしい。
だから、研修生という名目を使う...らしい。
同じ職場の中で
仕事の内容は
実質的には同じなのに
国籍によって給与が異なる...
研修生の場合は、
職業訓練という名目があるらしいのだけれど
X国青年によれば
やっていることは全く同じらしい。
「班長以外の日本人は
班長がQ国人をののしったり殴ったりした時
どうしてるの?」
「見ている。知っているけれど、何もしない。
だから、さっき言ったんだ。
日本人って暴力に鈍感だって」
職場での国籍による給与の違い
職場での暴力
これって
何らかの法律に抵触しないの?
本当は
久しぶりに出会った
私と生年月日が一緒のQ国人女性と
こちらも偶然出会った
X国青年と
のんびり四方山話の予定だったのに
(前日日記に書いた)
わけのわからない
攻撃的な日本人青年のせいで
話しの方向が狂ってしまいました。
X国人青年の話を聞いて
重い気分で喫茶店を後にした時
(前日日記に書いた)
奥の席には60歳前後の3人はもういませんでした。
その3人がいつ店を出ていったのか
私は気づきませんでした。
駅前で別れて、
Q国人女性は
日本人夫の元へ
X国青年は
日本人婚約者の元へ
それぞれ帰って行きました。
それぞれが
重い思いを抱えて...
久しぶりに
出会えて、
最初は偶然性に驚き嬉しかったのに
別れる時には
意図せず暗い思いでした。
○×国人という言い方をしたからと言って
その国の人がすべて
ある特定の性格や行動形式を持っている
というわけではないのですけれど
喫茶店で1時間ほどおしゃべりした3人の中で
私一人、日本人でした...
嫌な事実を見ました。
嫌な事実を聞きました。
日本人として
私はやっぱり恥ずかしい。
腹も立ちます。
恥の文化なのかもしれないけれど
恥がどこかに行ってしまった文化なのかもしれないけれど...
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Last updated
Oct 8, 2005 11:31:18 AM
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