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カテゴリ:プログレッシヴ・ロック
どんな直感だ、と聞かれるかもしれないが、それは内緒だ。 アルバムは「Discipline」('81年、上写真)。CDをデッキに入れプレイ・ボタンを押す。 Talk , It's Only Talk♪ エイドリアン・ブリューが、ギターで象のトークをやっている。 エフェクターを駆使した、パオーンな響きがあまりにも有名な曲だ。 1981年、2枚のソロ・アルバムといくつかのセッション活動を経たロバート・フリップは、「Drive To 1981」なるテーゼを掲げて、新しいバンドを結成する。 メンバーはフリップの他に、クリムゾンの『太陽と戦慄』にも参加していたビル・ブラッドフォード(Dr)、フリップのソロ・アルバムに参加していたセッション・ベーシスト、トニー・レビン。 そして、フランク・ザッパ・バンド出身の個性派ギタリスト、エイドリアン・ブリューである。クリムゾン参加以前にもデヴィッド・ボウイやトーキング・ヘッズのサポート・メンバーとして来日経験もある人物だ。 新しい個性を得たフリップは、この四人でリハーサルを開始。バンド名は"Discipline(訓練)"と決まり、ツアーも始まった。 だが、ツアーの途中で突然、フリップが「これはクリムゾンだ」とか言い出したため、バンド名は急遽キング・クリムゾンに変更。かくして新生クリムゾンが誕生する事となった。 元のバンド名は、1stアルバムのタイトルとして残った。 で、「Elephant Talk」だ。 複雑かつ有機的に絡み合う四つの個性。 だが、フロントに出ているのは、ヴォーカルも担当するエイドリアン・ブリューだ。 クリムゾン史上、初のアメリカ人であり、ギタリストがヴォーカルを兼任するのも初の試みだった。 エキセントリックなブリューと、学者的なフリップ。 対照的な二人のギタリストが微妙なバランスで渡り合い、そこに職人肌のリズム隊が交わる事で、スリルとキッチュさを持った空間が生まれる。 それは"いわゆるクリムゾン"とは全く違うものであり、スケール的には若干こじんまりとしているが、これはコレでなかなか面白い。 ただし、曲調やリズム・アレンジは、ブリューも参加していた同時期のトーキング・ヘッズからの影響丸出し。 ブリューのヴォーカルなんて、まんまデヴィッド・バーンやんけー けど、楽しめるから許す アルバム3曲目には「Matte Kudasai(待ってください)」なんて曲も入ってるし。 それにしても、これを「クリムゾンの作品」として世に出したフリップは凄い。 輝かしい過去にこだわらず、前進しようとするその姿勢。 うーむ、このオッサン、文字通りプログレッシヴだ。 あるいは単に支離滅裂なだけなのかもしれないが タイトル曲の演奏がブツリと切れる。 アルバムが終わった。 もういちどクリムゾンだ。プレイ・ボタンを再度押す。 象の咆哮が聞こえてきた。 ロバート・フリップがつべこべとギターを弾き、トニー&ビルのリズム隊がわちゃわちゃと動く。 イッツ・オンリー・トーク。 すべてはムダ話だ、と歌うエイドリアン・ブリューの声を聴きながら、俺は今日も、くだらないブログを書く。 「Elephant Talk」を聴くにはここをクリック! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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