クレンペラーの「メサイア」
数多く聴いた訳ではありませんが、今のところこのクレンペラー盤が私にとってのベストです。ヘンデルの「メサイア」。ハレルヤコーラスが有名なあの大曲です。クレンペラーらしい構築感のある演奏。ソリストはシュワルツコップ(ソプラノ)ニコライ・ゲッタ(テノール)アルトとバスの方は知らないのですが、バスのジェローム・ハインズが名唱を繰り広げています。初めのアリアと最後のペットと絡むアリアが白眉。声が暖かくて素晴らしい。ハレルヤコーラスも、もっといいのが存在するはず。最後の方でもペットがずり上がったりと、決して完璧な演奏ではありません。ですが、私はこの演奏の合唱とソリストに祈りにも似た熱さを感じずにいられません。その溢れんばかりの祈りをクレンペラーが救い上げてるかのよう。今日は鞍馬でのウエサク祭。きっと多くのマスターの皆様が臨まれるかと。感謝です。