ハイティンク&シカゴのマーラー3
今年の5月に発売された注目盤。外さない解釈が定評のハイティンクが、去年よりシカゴ交響楽団の首席指揮者に!満を持してこのCDが、シカゴ交響楽団の自主レーベルから発売となりました。余裕シャクシャクの鳴りを聞かせる金管。1楽章のテンポは非常にゆったり。ごまかさず、流さず、一つ一つのフレーズを確かめるように進行していきます。弦もピッチは安定していて、ひと安心。シカゴの弦は爽やかな響きですね。やや高めに聞こえるのも持ち味でしょう。^^ライブ録音なのに完璧な演奏力。シカゴ響、恐れ入ります。ショルティの頃をも凌駕しているような気が。中弛みする中間楽章だからこそ、新しい印象を持たせてくれるのは良い演奏の証拠。2楽章も音像が明晰で、音楽的です。3楽章の「森の動物が私に語ること」では、始めの木管の絡みが美しく和んでしまいます。4楽章のアルト独唱。歌手はミッシェル・デ・ヤング。慈しみのある深い声。5楽章の合唱。あまり聞かない楽章なので飛ばそうと思いましたが、絡んでくるデ・ヤングの歌唱がとても上手なので、思わず聞き続けてしまいました。^^;そしてクライマックスの終楽章。ここまで安心感で満たされる演奏も珍しいと思います。歌い方は極めてゆったりですが、最後までダレる事なく、耳と心を委ねさせてくれます。マーラーの3番が好きで、良い演奏をお探しの方、多分、このCDの演奏は当たりだと思いますよ。