NOVELS ROOM

 うぅうん・・・
 ふむ、私の予想通り、やはり3日後に起きたな。
 ここは・・・僕の部屋だ・・・なぜここに・・・僕は確か・・・
 貴様は不老長寿の薬の改良版を研究していた。しかし、薬品の化学反応により、貴様は眠りに落ちた。
 というわけだ。思い出したか？
 言わなくてもわかってるよ・・・そして、その研究が失敗に終わっているということも・・・。
 流石だな。3日も寝てしまうというのもわかったか？
 3日もかい！？・・・恐ろしい物を作ってしまったものだ・・・。
 いや、3日どころではない。貴様の状態と、薬品を確認したところ、あの試験管に入っているモノをすべて飲んだとしたら、一生起きないという状態になっていたのだぞ？
 僕はとんでもない物を作っていたんだね・・・改良のし直しだ・・・。
 まぁ、はっきり言うと一番平和に殺せる薬品になってしまったということだな。
 怖い事を言うのはやめてくれないか。僕は人を長生きさせるための薬を作っているわけであり、殺すために作っているわけじゃないんだ。
 そんなことは百も承知だ。
 だが、薬品を間違えて混ぜると、そういうことにもなる。わかっているだろう？
 わかっているよ。今回は、試験的に研究してたから、これはさっさと中和して処分しなきゃ行けない。
 中和と聞いて。
 ほう、レインがここに来るのは珍しいな。
 たまたま通りかかっただけだよ。で、何を中和するんだって？
 この、飲んだら一生起きなくなる薬品を、別の薬品と混ぜて中和して処分しようと思ってね・・・。
 何その恐ろしい薬品・・・。
 たまたま出来た、失敗作の産物だ。故意はない。
 それじゃ、ボクがその薬品を中和するよ！中和っと！どう？調べてみてよ！
 今、流れるようにやったな・・・。
 ふむ・・・確かに薬品は中性になっている・・・。
 すごいね、君の能力は。
 いや、正直薬品も中和できるなんて思ってなかった。
 でも役に立ったみたいだし、良かったよ！
 おっと、そういえば、アンズやミリックにヴィッセンが起きたこと伝えてなかったな。
 そうだ、多分僕が突然倒れて心配してるはず・・・！早く知らせなきゃ！！
 貴様は2人のことになると本当に心配するのだな。
 ま、私も人のこと言えた義理ではないがな。
 だが案ずるな、貴様が眠ってしまった時、その症状は簡単に伝えたつもりだ。
 で、でも・・・！
 あー・・・アンズちゃんはイオナちゃんのところにいたし、ミリック君は両親のところにいたし、そこまで心配しることないと思うよ？
 何よりここでの会話はみんなに筒抜けでしょ？伝えなくてもわかるんじゃない？
 ・・・そうだね。ちょっと焦りすぎちゃったよ・・・。
 とにかく、無事で良かったな！
 一生起きない薬品とか残してたら大変だもんね。
 世界を変えるには必要な薬品だったかもしれないがな！
 そうやって君はすぐ変なこと言い出すんだから・・・やめてくれないかな？


★ヴィッセンさんが起きました。前回のお話はこれね。
なお、この記事が投稿される頃、私は後輩の山くんと映画を見ていることでしょう。