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ワインと絵画がある生活

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2006.07.25
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10,000文字オーバーのため前回からの続き。

 この美術館では、作品に応じて3種類の展示方法をおこなっている。古代や中世、ルネサンス、バロック、近代、現代など時代ごとの「系統展示」。システィーナホールに代表される「環境展示」。だまし絵や家族など特定の主題にフォーカスした「テーマ展示」がある。

 好きな絵はたくさんあるのだけど、うまく撮れた写真の中で、好きなものを紹介する。

古代の系統展示ルーム。ポンペイやローマ時代などの壁画などが復元されている


とりあえず


 写真はないけれど「最後の晩餐」は、修復前と修復後が展示されている。修復前がとても汚かったことがわかる。ちなみに本物が展示されているミラノのサンタマリア・デッレ・グラッツィエ教会は、精密機械工場のクリーンルームのような雰囲気。部屋に入る人数も25人程度に制限されている。

ルネサンスの三大巨匠の中では一番好きなラファエッロ


ティッツィアーノの描く女性はエロティックなところが魅力的


ピーテル・ブリューゲル「ネーデルランドのことわざ」


 この絵が収録されている美の巨人DVDを持っている。ネーデルランドの画家は独特の雰囲気がある。ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」も展示してあった。暗すぎて写真は断念。プラドの本物は、奇妙さと超精密描写がみごとな絵。

ブロンズィーノ「愛と時間の寓意」。美しさと奇妙さが同居している


 ブロンズィーノは、どこかで見たことがあると思ったらロンドンナショナルギャラリーだった。ロンドンナショナルギャラリーは、好きな美術館ランキングが相当高い。

パルミジャニーノ「長い首の聖母」。ウフィッツィにあるらしいけれど全然記憶にない


レンブラント「放蕩息子の帰還」。エルミタージュでもっとも感動した絵。もちろんレンブラントの中でも一番好き


フェルメール「真珠の耳飾りの少女」。実物が見たい!


中庭には、オランジュリーの「モネの大睡蓮」を復元したものがある。この池の内側に陶板が並べられている


これも中庭。建物の遠方左側に、少しだけ頭が出ているのが鳴門大橋。ここから途中退場して鳴門大橋まで行けるようになっている


ゴヤ「カルロス4世の家族」


 ゴヤは、プラドに行って目覚めた。ゴヤは、この写真のような一般作品以外にも、環境展示として黒い絵が集められた部屋がある。2年前に、ここで黒い絵を見たときには気味が悪いと思ったけど、目覚めてからはそれなりに見れるようになった。ゴヤのような皮肉いっぱいの絵は解説がないとわかりづらい。

アングル


 クールベなどからは批判されることもあったアングルだけど、個人的には新古典主義の画家って好きなんだよね。

ダヴィッド「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョセフィーヌの載冠」


 この美術館で、ダヴィッドの戴冠式を見たときには、あまりの美しさに感動した。そして期待してルーブルで実物を見たら、意外に平凡でびっくり。大塚の説明員は「本物よりこっちの方がきれい見える」と言っていたけれど激しく同意。今回あらためて見直しても、こちらの方がきれいに見えた。

 理由はおそらく2つ。ライトアップと、まわりの絵とのバランスだと思う。一般的な美術館では、フラットな照明が理想とされているのに対し、ここでは絵の劣化を気にする必要がないので、積極的にライトアップが行われている。またルーブルでは、まわりに大きな絵がたくさんあって目立たないのに対し、こちらでは、この1枚だけをフィーチャーしているのでとても目立つ。

ターナー


 あるブログに、ターナーは実物と全然違うと書いてあったけど、ふつうの鑑賞距離から見る限りでは、それほど違わないように思える。いちおう半年前に実物を見たばかりなのだが...。まあ横に実物を並べれば違うのかもしれない。

マネ「フォリー=ベルジェールのバー」。マネで一番好きな作品。


 これは本物に圧倒的な軍配が上がる。ロンドンのコートールドでは、最高値で購入した絵ということもあって、落ち着いた雰囲気の部屋の真ん中に飾られている。ということは、雰囲気が大切なのかも。

アンリ・ルソー「蛇遣いの女」。ルソーの代表作。


 わたしのもっとも好きな画家がルソーだ。ルソーのために、ロンドンのテートモダンで開催された特別展を見に行ってしまった。「蛇遣いの女」をはじめとするジャングルシリーズもいいけれど、もっと下手な絵の方が好きだ。それにしてもジャングルシリーズは、ルソーの緻密さを最大限に発揮してしまった奇跡的ともいえる作品。

ピカソ「ゲルニカ」。ピカソはゲルニカにつきる。キュビズム以降の作品はあまり得意ではないのだが、はじめてここで見たときには驚いた。


 マドリッドで本物も見た。わたしが見たなかで、ガラスケースに収められていない作品では、もっとも警備が厳しかった。両端に警備員が配置され、周囲には柵が張り巡らされている。柵に触るくらい近づくと怒られる。

ダリ


シャガール


うず潮ビール



大塚国際美術館は本当に大きい! 途中何度か休憩を挟んだけれども、帰るときにはへとへとになった。


 大塚国際美術館については、入場料が高い(\3,150)とか、実物と色やタッチが違うとか、しょせんレプリカ、などの批判があることは承知している。

 たしかに陶板(大きなタイル)なので、継ぎ目は見えるし、マチエール(絵肌)のはっきりした絵は苦手だとは思う。とはいえ、個人的には、とても好きな美術館である。一番の魅力は実物大の存在感だ。それ以外にも

・古代から現代まで作品の幅が広い
・スペースが広くて美しく展示されている

ということもある。また無料のガイドツアーが秀逸なことも忘れてはならない。今回は3つのツアーに参加してしまった。ふつうのガイドツアーもよかったのだが、今回は人数が多すぎた。夕暮れ時のギャラリートークが光った。

- ダ・ヴィンチ・コードツアー
- 通常のガイドツアー(50分×2)今回はロングバージョンに参加したが、50分バージョンもある。
- 夕暮れ時のギャラリートーク

 そして、これだけの展示を行うためには、数々の著作権問題をクリアしなければならない。そのため20世紀の巨匠マティスは展示されていない(絵画の著作権は作者の死後50年間有効)。関係者の苦労には頭が下がる想いである。

 もう一つ、おそらく著作権問題で残念だったのは、モネの「印象 日の出」がなかったこと。モネの亡くなった時期を考えれば一般的な著作権はクリアしているが、マルモッタン美術館の許可が下りなかったためだと思う。全作品リストを確認すると、マルモッタン美術館の収蔵作品は一点もない。

 なんだか大塚製薬の関係者であるかのような発言になってしまったが、ひとりの絵画好きとして、このような名画を実物大で見ることのできる環境があるのは素晴らしいことだと思う。とくに学生や、これから絵画を見始める人の、きっかけになればよいと思う。

帰りは徳島空港から羽田へ。約1時間で到着。いやー本当に早い。あっという間に現実に引き戻された。



まとめ
 今回の旅は、天候に恵まれなかったものの楽しく過ごせた。あらためて見直してみると、美術館では撮影が制限されていたこともあり、料理の写真の比率がとても多い。アートの旅ではなくて、食べ歩きの旅のようにも見える。そんなこともあって、歩いたわりには、やせるという野望は達成できなかった(笑)。

 また今回は、一眼レフカメラの技術向上という目的もあり、そのため初心者向けの「オート」を含む機能はあまり使用しなかった。そして光量不足に悩まされたこともあって、結構失敗してしまった。思い返すと反省点はたくさんある。

 帰宅して1週間後、注文していた手ぶれ防止機能付きレンズNikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6Gが到着したとカメラ屋から連絡が入った。これがあったら、もう少し成功率は上がったのに!

 ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

<完>

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最終更新日  2006.08.03 01:20:28
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Re:西日本美術館紀行(10) - 大塚国際美術館 part2 -(07/25)   Kaoru777 さん
大塚国際美術館は本当に素晴らしかったですよね。
私は美術に疎いんですが疎い私でも夢中になってみてしまったくらいです。
足が棒になりましたが。(笑)

ブログすごいですね!
本当に詳しくよくまとめてらっしゃる!
素晴らしいです!!!! (2006.08.02 22:41:56)

Re[1]:西日本美術館紀行(10) - 大塚国際美術館 part2 -(07/25)   busuka-san さん
Kaoru777さん、こんばんは。

>大塚国際美術館は本当に素晴らしかったですよね。
>私は美術に疎いんですが疎い私でも夢中になってみてしまったくらいです。

2回目の今回も素晴らしいと思いました。次はシスティーナホールが改装されてからですかね。

>足が棒になりましたが。(笑)

本当に足が棒になりますよね。結構休憩したんですけどね。鳴門大橋まで行ったら、死んでしまいそうです。

>ブログすごいですね!
>本当に詳しくよくまとめてらっしゃる!
>素晴らしいです!!!!

ありがとうございます。m(_ _)m
今後もよろしくお願いします。 (2006.08.03 01:33:05)

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