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カテゴリ:読書
ロスジェネ(創刊号) 超左翼マガジンをうたう「ロスジェネ」創刊号。 ロスジェネはロストジェネレーション(失われた世代)のことで、就職超氷河期に社会に出た今の20代中盤から30代中盤の世代をさすらしい。その数2000万人。 私は20年以上前から労働組合運動にかかわってきた関係で、95年に日経連(後に経団連と合併して日本経団連)が「新時代の日本的経営」を発表した時のことを記憶している。当時、これから大変な時代がやってくるという危機感を持ったのだけど、それが現実のものになるのはしばらく後(感覚的には当時から10年後、21世紀初頭ぐらいか)のことだと思っていた。 しかし実際には「新時代の日本的経営」が提言した雇用の流動化に財界はすぐに手をつけていたし、その要請によって99年には派遣労働が原則自由化されたのである。 気がつけば自分の職場にいる派遣や請負会社の労働者はこのロストジェネレーションに属する人が多い。 巻頭の「ロスジェネ宣言」には「いま『われわれ』の言葉はリアルだろうか?」という副題が付されている。 「言葉」を問題にしているところに注目。 たぶん彼らにとって私のような組織労働者(この言葉自体が古い)の言葉はリアルではないだろうし、反対に、この雑誌に書かれている言葉の多くは私にとってリアルではない。たぶんロストジェネレーションの若者にとってもリアルなものではないと思う。 遠慮なく言えば、古くからある右とか左とかの頭でっかちな「言葉遊び」に過ぎないと感じる。 今、出版の世界は厳しい。気軽に情報を見ることができ、発信することも簡単なネットの世界とは違い、その情報を金で買ってもらわなくては成り立たないのである。広告がひとつもない作りに気概を感じるが、果たしてやっていけるのだろうか。税別1,300円というのはリアル過ぎる値段だ。 とりあえずその気概は買うことにする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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