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サカナ男爵の本とゲームにおぼれて

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2022.12.11
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カテゴリ:本・書籍
人は、なぜ他人を許せないのか? のご紹介です。

SNSを見ると、そこかしこに怒りが渦巻いています。
不倫をしている芸能人やテレビ番組の不謹慎な表現など「許せない」と感じることがしばしばあります。
自分が被害を受けたわけでもなく直接関係も無いのに、相手に攻撃的な言葉を浴びせ叩きのめさなければ気が済まない。

他人に「正義の制裁」を加えると、脳から快楽物質であるドーパミンが放出されるのだそうです。
本書ではこうした正義を振りかざしたがる状態を「正義中毒」と呼び、他人に対して必要以上に怒りや憎しみを持たずに済むようなヒントを示しています。


【中古】 人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子(著者) 【中古】afb


【第1章 ネット時代の「正義」 他人をつるし上げる悦び】
他人を許せないという感情は、人間の歴史と共に存在していたでしょう。
ですが社会的立場や損得を考えて、むやみにその感情を表に出さないようにすることが多いと思います。

それを「見える化」したのがインターネット、SNSだと言えるでしょう。
誰でも手軽に匿名で情報やメッセージを発信できるようになったことが、正義中毒な人たちにとっては便利になったのでしょう。


【第2章 日本社会の特殊性と「正義」の関係】
日本ではみんなに合わせることが良いこととされ、みんなと違う行動をとるのは好まれません。
一方ヨーロッパ圏では自分の意見を言わないというのは評価されません。
こうした傾向は皆さんも折に触れて見聞きしてきたことであると思います。

日本のこうした傾向はどのように醸成されたのでしょうか。
日本は降雨量が多く高温多湿で台風も多く、風水害のリスクが高い国です。
加えて地震も多いため、恒常的に防災の備えが必要になります。

このような環境では、個人主義的な性質よりも集団で助け合っていく性質の方が生き延びるには有効であったため、こうした傾向を持つようになったのではないかと考えられます。


【第3章 なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか】
哺乳類の多くが集団を形成して生活しており、人間は特にその傾向が強いです。
集団に属することが生物としての安全性を高め、生活効率を良くするため、集団への所属と集団の維持そのものが目的となってしまいます。
正しいかどうかではなく、自分の所属している集団を守り、違う考え方をした集団を攻撃することが優先事項になってしまうのです。

人は自分の所属する集団以外を受け入れられず、攻撃するようにできています。
そして自分たちの正義を壊す「悪人」を攻撃すると、快楽物質であるドーパミンが分泌されます。
ニュースで事件や政治的な問題が起こるたびに「許せない!」と声があがり、ネットにも過激な書き込みが増えます。
これはテレビの向こうにいる、自分とは無関係で安全に叩ける相手に対して攻撃を加えて快感を得ているのです。

人は〇〇人はこうとか、男はこう、女はこうといったバイアスを必ず持っています。
当然人種や性別に関係なく様々な人がいるのですが、こうしたバイアスでばっさりと判断してしまう方が考える必要がありません。
バイアスは脳が手抜きをしている、ともいえるのです。

そして他人に対して共感的に振る舞う機能は前頭葉の眼窩前頭皮質という領域が担当しています。
ここは25~30歳くらいにならないと成熟せず、しっかりとした成熟には相応の刺激(教育)も必要です。
さらに睡眠不足やアルコールで簡単に機能が低下してしまいます。
成長に時間がかかるのに衰えるのは早い難儀な機能です。
歳をとって頭が固くなり感情的になりやすいのは、この眼窩前頭皮質の機能が低下しているとも言えます。
こうした機能的な面からも語っているのがさすが脳科学者ですね。


【第4章 「正義中毒」から自分を解放する】
正義中毒を乗り越えるカギとして、メタ認知能力を育てることが重要とのことです。
他人を許せない状態も含めて自分を俯瞰して見る能力を鍛えることで、自分を客観視して正義中毒を抑えることができます。

そして、対立ではなく並列で考えることが重要だと述べています。
世の中にはどれだけ議論を尽くしても答えが出ないこともありますし、極限まで突き詰めれば「どうでもよいこと」です。
自分の考えとは違うものでも、それぞれが並列して存在することを受け入れることが、不毛な正義中毒を抜け出す手がかりとなるでしょう。



本作は予想以上に勉強になりました。
うんざりする程聞き飽きた「欧米では……」みたいな話は無く、日本人の傾向についても一つの特徴として客観的に書いているのが良いですね。
誰しもが陥る「正義中毒」を地理、文化、脳科学など様々な側面から冷静に分析しているのは学者ならではと言うところでしょうか。

不毛な争いの溢れる昨今を生きる一つのヒントとなる一冊でした。



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最終更新日  2022.12.11 17:32:11
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