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イルカみたいに生きてみよう~心の力を抜いて楽しく生きていきませんか

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2007年01月08日
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カテゴリ:誘水日記
僕の田舎は20数件の小さな集落。
その北の端に、僕の実家はある。村はずれの急な坂道を降りていくと、そこには田園が広がっている。そして、村を見上げると、こんもりとした森に覆われてしまう。落ち武者が隠れ住むにはかっこうの場所だったかもしれない。

僕の家の北側の窓をあけて身を乗り出すようにして西を見ると、大きな木がそびえ立っている。僕が小さいころから大きかった。親父に聞くと、親父が子どものころから、あの木は村を見下ろしていたらしい。

どんぐりの木だと親父は教えてくれた。

去年から、あの木が気になっていて、お正月もその根元まで足を運んだ。
大人2人が両手を広げたよりも、その幹の周囲は大きそうだ。

根元から、つたがぎっしりと絡まりついていた。
日の当たる東側から見ると、20メートルほどある高さの3分の2はびっしりとつたに覆われている。つたは、どんぐりの木の幹に食い込んでいて、ほとんど同化しているに近かった。

このままいくと、つたに栄養を吸い尽くされてしまって、この老木は枯れてしまうに違いない。

どうしたら老木を救えるだろうか?
まず、つたを取り除くのは不可能だろう。

僕は、ある話を思い出した。
有名な話だ。
ある植物学者が、サボテンに声をかけ始めた。
「君は、だれにも攻撃されないよ。守られているよ。だから、自分の身を守る必要はないよ」
何日も何日も、そんなことを言って聞かせた。
そしたら、そのサボテンは、棘を捨ててしまったと言う。棘のないサボテンが、サボテン自らの意思によって作られたのだ。

老木に声をかけた。
「よくがんばっているね。僕は、ずっと君のことを見ていたよ。ありがとうね。勇気をもらったよ。君のおかげで、がんばれるよ」
次に、つたの太い幹に手をかけて声をかけた。
「つた君、本当に大きくなったね。でも、君が必要以上に大きくなると、君が栄養をもらっているどんぐりの木が枯れてしまうよ。そうなると、君も死んでしまうよ。だから、両方が幸せになれるような大きさでいようじゃない。どんぐりの木が死んだら、元も子もないんだから」

つた君は、聞いてくれたような気がする。

僕は今、植物の本を書こうとしている。
どう書き進めていくか、わずかな光の中で、右へ行ったり、左へ行ったり、頭の中は迷い道だった。でも、昨日、方向性が決まった。どんぐりの老木を主人公にしよう。彼に語ってもらおう。

僕は、田舎へ帰ると、いつもあの老木を見上げる。
そして、心の中で「ありがとう」と何度も唱える。

老木は、いつもやさしく僕を励ましてくれる。





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Last updated  2007年01月08日 07時55分07秒
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Comments

さそい水@ Re:ありがとうの思いを現実化するのがお金の役割(12/12) 大谷君は、 野球が好きで好きでたまらなく…
ハピハピハート@ Re:娘の結婚式(03/12) 美しい花嫁さんですね🌸
さそい水@ Re:本当の自分?(12/27) いろいろな自分が同居しているんじゃない…
ハピハピハート@ Re:本当の自分?(12/27) 興味深いお話しですね✨ わたしは女を演じ…

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