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午後はオプションで申し込んだトンレサップ湖へのクルーズへ・・・ クルーズっていう響きがしゃれたものをイメージしていたのだが、カンボジアの現実を目にするにつけ、クルーズはどんなものやら・・・ 船着き場に着くと、目の前の河は黄土色に濁ったどぶ川のよう。おまけになんだか生臭さが辺りを漂う・・・ ここには約7,000人の水上生活者がいるが、そのほとんどはベトナムからの難民で、この河で生まれ、ここで育ち、ここで一生を終えていくそうだ。カンボジアの貧しさの中にあっても、ここに住む者は更に貧しきものとして差別され、陸にはあがれないそう。河にはこの人々のための病院があり、学校もあり、生活に必要なものはすべてこの河の中でまかなわれているという。信じられない話に、ただびっくり・・・ 船着き場にはベトナムから段ボール箱に詰めたたくさんの荷物をもった人たちがたくさんいる。ボランティア団体が、ときどき、自分たちの同胞に差し入れを届けるのだそうだ。 私たちの船は、小さな木船に屋根が付いたシンプルなもの。船を動かすのはまだ子どものような男の子。この子の船らしい。家が貧しいので、学校をやめてこうして働き生計を助けているそうな。日本で17歳と言えば高校生、スポーツに遊びにと将来の夢を描きつつ人生を謳歌している年頃。なのに、この子の目は何の希望も見出せず、人生の終点までつづく否応のないレールの上をただ行くしかないそんなあきらめのような静かさで、胸が痛んだ。 後姿を写すのが精いっぱい・・・ ボートハウスが並ぶ・・・ 葦でできたような家 家の中では昼間から男たちが遊興を・・・ きれいな家もあり、テレビも見える 船は自家用車のよう 学校 たくさんの子が船で通っている 目の前は海のように見えるが・・・ ここからがトンレサップ湖 雨季と乾季とでは大きさが3倍も違い、伸縮する湖と言われているそう。 おみやげやさんです。 竹を組んだ上に家が建っている。筏のよう。
ナマズの生簀とワニの養殖場。ワニがごろごろ。ワニ皮にするためとか。 この中がワニの家。 小さな子が大きな蛇を囲っている。 クルーズの途中で、小さな子が3人ほど乗った船が近づいてきて、大蛇を手にして見せてくれる。人懐っこく笑って話しかけてくるが、ガイドさんは、この子たちはその姿を写真に撮らせて観光客からチップをもらい、小遣いにし生計の足しにしているが、これは違法だから、絶対にチップを上げないでと言う。本来なら学校に行っている時間に抗していることは悪いことだとこの子たちもわかっていて、ときどき警察のパトロールが回ってくると、逃げ帰るそうだ。厳しい現実だけど、子どもたちはたくましい。 左の船が私の乗った船 カンボジアの貧しさは、アンコールワット観光の中で十分感じられたが、それ以上に、この水上生活者の存在は、カルチャーショックだった。ここから抜け出せない生活。どんなに努力しても、ここで生まれたらここで死んでいくしかない現実。炊事も洗濯も排泄もすべて船の上で、この河の水ですますという生活。この河の中でしか生きていくことができない一生・・・ このクルーズはアンコール観光の中でも一番の重い印象になった。
<付記> 先月たまたまテレビで入っていた世界ウルルン滞在記リターンズ。「市川実日子がトンレサップ湖で暮らした」というので、見てました。モデルであり、女優でもある人が、あの場に1週間もホームステイするなんて、私には信じられなかった。臭い、清潔さに関して受け入れ難く、申し訳ないけど、私は絶対無理だと思ってたから。彼女の人間性の素晴らしさを感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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