SCARECROW'S ROOM

★ダメダメ兄弟達とインドの風景に心が癒される映画です★


『インドに行けばなんとかな～る～♪』
なんていきなり歌詞を書いても「そんな歌あったっけ？」と言われそうですが…
（ＩＣＥ－ＢＯＸっていうグループのアルバムに入っていた曲なんですが、知らないですよねｗ）

誰かも言ってました。「インドに行くと人生が変わる」と。
（だから「誰か」って誰だよ…。適当ですんません。）

自分は残念ながらインドは行った事がないのですが、色々な映画やＴＶのドキュメンタリーを見ていると、確かにインドって他の国と違うパワーがありそうな国です。
（まぁ本当は未だカースト制度の残る厳しい国なんですけどね）

そんなインドを舞台に、大人になりきれない三兄弟の珍道中（？）を描くロードムービーが、この『ダージリン急行』です。


～ＳＴＯＲＹ～

父の死をきっかけに疎遠になっていたホイットマン３兄弟。
長男フランシス（オーウェン・ウィルソン）の呼びかけで１年ぶりに再会した次男ピーター（エイドリアン・ブロディ）、三男ジャック（ジェイソン・シュワルツマン）の３人は、フランシスの提案でインド北西部を走るダージリン急行に乗り、失われた日々を取り戻すためインドを横断する列車の旅に出る。

３兄弟はそれぞれに問題を抱ていた。フランシスはバイク事故で瀕死の重傷を負い、奇跡の生還を果たしたばかり。ピーターは妊娠７ヵ月の妻アリスと上手くいっていない。ジャックは、失恋の痛手を引きずっていた。

それぞれにエゴが強い３人は早々に衝突してしまうが、長い旅の間で彼らは徐々に兄弟のきずなを取り戻しながら、それぞれが抱えた心の傷をゆっくり癒していく…。



あぁ、もうこの三兄弟のダメダメ具合＆ゆる～い映画のノリは大好きです。

兄弟の確執って夫婦や親子のそれとまた違うんですよね。微妙な序列があって、でも対等な大人でもあって、近しい「家族」でもあるんだけどそれぞれ違う道を歩く「別の家族」でもある。

だから同じ「家族」の話でも、例えば『リトル・ミス・サンシャイン』のような「これからまた一家揃って一緒に生きてゆく」状況じゃなく、兄弟の場合「絆を取り戻したら、またお互いそれぞれの道を歩く」状況なので、冷たい言い方をすれば「別に絆を取り戻せなくたって、最悪バラバラで喧嘩別れしたままだって構わない」って事になっちゃうんですよね。

だからこそお互いエゴもむき出しになるし、諦めようと思ってしまえば簡単に諦められてしまうんだけど、そんな中で徐々に３人の気持ちが近づいてゆく様を、この映画はとても上手に（大げさにドラマチックではなく、ゆる～い時間の流れの中で）描いている点が良かったんじゃないかなと思います。


あぁ～なんかこの映画を観ていたら、旅に出たくなっちゃいました。
ただし同行相手はこんなわがままな人たちじゃない事を願いますが（笑）。




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■ダージリン急行
　 THE DARJEELING LIMITED
　 2007年・アメリカ
　　監督：ウェス・アンダーソン

　 オフィシャルサイト(2008年4月現在）…　http://darjeeling-movie.jp/