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2009.09.19
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カテゴリ:現代社会
 アフガニスタンの惨状は、日本でほとんど知られていない。日本人が立ち入るのは危険が大きすぎる。アフガニスタンで狙撃されたり、誘拐されることは日常の出来事であり、自分で身を守れない人間はアフガニスタンで生きていけない。都市部だけでなく、辺鄙な農村地帯に至るまで、治安は最悪ランクにある。原因は、打ち続く内戦と世界有数のアヘン生産地帯であることに尽きる。政府軍とタリバンの内戦だけでなく、マフィアの勢力争いが複雑にからんでいる。タリバンとマフィアには、カブール政府という共通の敵がある。
 アフガニスタンには、各種の武器があふれている。多くは軍事援助でアフガニスタンに持ち込まれたものだろう。危険を避けるために、多くの部族は村に武器を保有している。身も守る武器も、即座に攻撃用に転用できるから、何かというとAK47が登場する。爆薬は自家製だという。原始的な黒色火薬でも、時限装置に接続すれば強力な破壊兵器にになる。
 アフガニスタンで大統領選挙を実施できたのは、ISAFの軍事支援のおかげだろう。これまでNATO軍はアフガニスタンに注力して、米軍の協力要請に積極的に応じてきた。しかし、アフガニスタンの内戦は、血で血を洗う残酷なものであり、アフガン人はNATO軍を憎むようになった。爆撃などで多くの村人が犠牲になったからだろう。爆撃の犠牲者は、テロリストよりも一般村民のほうが多い。その結果、治安任務のISAFが標的にされ始めている。
 爆破テロによるISAFの損害の増大は、参戦している欧州各国の世論を震撼させている。大部隊を送っているドイツやイタリアの国民は、大量の人的損害に耐えられない。名目は平和維持部隊でも、実際行っていることは戦争に間違いない。爆撃機やヘリコプターの照準器から、テロリストと一般の村人を判別することなどできるわけがない。司令部命令によるやむを得ない爆撃で、数多くの地域に何万人もの被害者が生まれている。彼らは爆撃機を保有するNATO軍を憎んでいる。殺したくもないのに爆撃するNATO軍兵士と、殺されたくもないのに爆撃される村人が憎しみ合うようになるのは宿命だろう。
 互いに相手を理解できない理由は、キリスト教徒の兵士とイスラム教徒の村人の差かもしれない。平和を生む出すはずのNATO派遣軍が、新たな戦争と憎悪を生み出している。ISAFの役割と任務は、アメリカが提案したようなものでなく、血なまぐさい戦闘の連続だった。銃の引き金を引かないと相手に撃ち殺されるという恐怖の中で、兵士に何ができるだろう。これからも悲劇が続くと、ドイツ政府やイタリア政府にできることは、撤退しかなくなる。





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Last updated  2009.09.19 14:02:04
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