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2009.12.09
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カテゴリ:モータースポーツ
 グランプリの開催地はさまざまな思惑が交差して決まる。第一の要件は、観客が集まることに尽きる。観客が集まらないと主催者団体は赤字に追い込まれて、エクレストンへの支払いができなくなる。支払いを渋ったために廃止に追い込まれたサーキットはいくつもある。F1開催で黒字になっても、それだけでは済まない。別口で開催権料をFOMに支払う必要がある。その額は地域によって違うけれど、20億円から30億円を請求される。もし、赤字開催になると重い負担が主催者団体にのしかかる。
 オリンピックと同じで開催することに価値を認める政府や自治体は、補助金を出して主催者団体を保護している。日本と英国以外は政府や自治体の援助によって、何とか赤字を埋め合わせしている。シルバーストーンが契約を粘った理由は、英国政府が資金援助を出し惜しみしていることにある。シルバーストーンのF1開催自体は黒字化しているので、政府が資金援助をしないとなれば、エクレストンに開催権料を値引きしてもらうしかない。これまで、1ポンドも値引きしたことのないエクレストンも粘りに負けて、大幅に安い契約を交わしたらしい。
 F1チームの多くは英国を本拠地にしている。そこにはチームの工場だけでなく、多くの部品企業が並んでいる。自動車産業の衰退した英国にとって、数少ない産業分野になる。英国GPが消えると、F1チームだけでなく、関連産業も影響を受ける。それゆえに、英国で開催を維持することが重要になっていた。フランスはとっくに諦めている。一度開催権を失うと、それを復活させるには多大のエネルギーを使う。シルバーストーンが粘りぬいた理由だろう。
 17年間の契約成立によって、シルバーストーンは工事に取り掛かることができる。コースの回収だけでなく、新たなピットの建設も含まれる。その借金を返すには、17年間もの契約が必要だった。今後、ヨーロッパにおいて、新たな契約が生まれる可能性は少ない。政府や自治体がF1開催を後押しすることも減るだろう。英国、イタリア、モナコ、スペイン、ドイツ、ベルギー、ハンガリーで、17年年後まで生き残れるのはどの国になるだろうか。





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Last updated  2009.12.09 16:16:09
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