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2010.06.23
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カテゴリ:国際経済
 旧ソ連構成国であったベラルーシは、ロシアから西欧に天然ガスを供給するパイプラインが通過している。ロシアの天然ガス価格には、国際価格と国内価格の二つがあり、ウクライナとベラルーシは旧ソ連構成国なので、ロシア国内向けと同等の安い価格で天然ガスを入手していた。ウクライナやベラルーシがロシア経済圏から離脱し、EUに接近するようになってから、天然ガス価格がもめるようになっている。ガスブロムは、ベラルーシにEUと同等の国際価格を受け入れるように主張する。しかし、天然ガス価格が値上がりすると、インフレ圧力が強まり、国民の不満が高まる。そこで、ウクライナとベラルーシは、値上げ分の支払いを遅らせて、ガスブロムと対立していた。
 プーチン政権になってから、ロシアの国益を第一にする政策を打ち出している。天然ガスの値上げ分を支払わないウクライナやベラルーシに供給削減を行って、資源対立の火種になってきた。欧州に輸出する天然ガスはベラルーシを通過するから、ベラルーシ政府がパイプラインを切断すると、ロシアの輸出も不可能になる。天然ガスの輸出を円滑に行うには、ベラルーシ政府の協力が欠かせず、政治的な妥協が重ねられてきた。
 石油価格と天然ガス価格は、ロシアの戦略的な輸出品になる。ロシアと敵対する政府に対しては、制裁的な政策を断行する。ベラルーシが値上げ分を支払わないのであれば、ガスの量を削減すると警告していた。ベラルーシはロシアの主張する価格を受け入れるつもりはなく、ガス供給の削減に対して、パイプラインそのものを停止させている。欧州側には天然ガスが流れなくなり、ロシアに対する反発が生まれることを利用して、天然ガスの価格交渉を行うつもりらしい。
 政治的な不安定状態にある中東の産油国に比較すると、ロシアは安定している。しかし、旧ソ連構成国であったウクライナやベラルーシとの対立が起こり、何度もパイプラインが切断されてきた。長大なパイプラインの代わりは存在しないから、ロシアとベラルーシの政治的な交渉を黙ってみているしかない。そもそも、ロシアに天然ガスを頼ることが正しいのかという声が起きるのも無理はない。しかし、石油や天然ガスの産出地は限定されていて、ロシアを失うことは、経済的なダメージを受ける。そこで、調停工作が裏側で行われるのだが、何度も繰り返されるパイプラインのトラブルにうんざりしているというのが実情かもしれないなあ。





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Last updated  2010.06.23 18:38:16
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