2162420 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

新英語教育研究会神奈川支部HP

新英語教育研究会神奈川支部HP

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

カテゴリ未分類

(313)

英文法、ルターの提案

(196)

英文法のヒント、ラジオ講座(フランス語など)

(261)

英語の歌

(37)

英語の歌+YouTube サッカリンさんの考察

(5)

英語教育:入試制度・海外の英語教育など

(49)

英語教材(大学入試問題、センター試験、教科書・参考書・問題集など)、英語関係の本

(144)

ルター、学校に行く(共学高2003)

(55)

ルター、学校へ行く(県立高校編2004)

(10)

ルター、学校へ行く(私立男子高編2004)

(26)

ルター、学校へ行く(私立高の1年目2005)

(26)

ルター、学校へ行く(私立高の2年目2006)

(8)

ルター、学校へ行く(私立高の3年目2007)

(35)

ルター、学校へ行く(私立高の4年目2008)

(42)

ルター、学校へ行く(私立高の5年目+相談員1年目2009)

(49)

ルター、学校へ行く(私立高の6年目+相談員2年目2010)

(33)

ルター、学校へ行く(相談員3年目+サポート校1年目2011)

(45)

ルター、学校へ行く(相談員4年目+サポート校2年目2012)

(64)

ルターの休日@東京

(74)

ルター、学校へ行く(通信制高校1年目2013)

(61)

ルター、学校へ行く(通信制高校2年目2014)

(42)

ルター、学校へ行く(通信制高校3年目2015)

(5)

ルター、学校へ行く(通信制高校4年目2016)

(6)

ルター、学校へ行く(通信制高校5年目2017)

(25)

ルター、オフィスソフト訓練2018

(18)

ルター、学校へ行く(私立共学校1年目2018)

(29)

ルター、学校へ行く(通信制高校6年目2019)

(52)

ルター、学校へ行く(通信制高校7年目2020)

(22)

ルター、学校へ行く(通信制高校8年目2021)

(14)

ルター、学校へ行く(通信制高校9年目2022)

(3)

ルター、Web クリエーター訓練2022

(11)

ルター、学校へ行く(全日制高校1年目2023)

(27)

ルターの休日@京都

(189)

ルター、交遊録

(115)

ルターの言語世界

(132)

映画

(271)

美術・音楽

(68)

テレビ番組

(171)

ラジオ番組

(39)

ネット・映像

(58)

本の感想:評論、随筆など

(43)

本の感想:日本の小説

(48)

本の感想:海外の小説

(34)

時事問題

(399)

プク太の世界時事ニュース(英語時事ニュース・英語エンタメ)

(7)

歴史、ルターの社会科ノート

(64)

平和

(138)

平和+英語

(18)

生活のヒント

(144)

スピリチュアル・合気道・健康など

(144)

旅行

(3)

愛について

(18)

人生について

(125)

2011.3.11以降:脱原発・放射能など

(88)

ブログ記事読み返し

(97)

その時々の状況説明:地震、パソコン不調など

(60)

新英研神奈川支部

(64)

新英研京都支部

(25)

新英研全国大会

(34)

こまどりの会

(32)

中村哲さん

(6)

加藤登紀子さん

(8)

アーサー・ビナードさん

(9)

スピッツ・草野マサムネさん

(62)

井上涼さん「びじゅチュ-ン!」

(13)

宮本浩次(ひろじ)さん

(4)

又吉直樹さん

(10)

タブレット純さん

(9)

山田五郎さん

(19)

Uさん フランス語とフランス史

(3)

Rさん

(2)

Tくん

(50)

黒柳徹子さん

(6)

関西新英研学分会(まなぶんかい)

(1)

英文法のルターさん、WEBで発信(個人事業主1年目2022)

(2)

今日のネットサーフィン

(3)

〈ルター式英文法〉サイト記事紹介

(2)

TolandVlog サムさん

(17)

ふかわりょうさん

(3)

©ルター式英文法

(0)

上出遼平さん

(3)

母と電話で歌うシリーズ

(7)

クラシック音楽(石井琢磨さん、反田恭平さん…)

(9)

Free Space

★「英文法のルターさん」の英文法の提案①~③ 
① 英文法の誤解を解き、体系を提示する必要があるとルターは考えています。
 例1) 時制は2つです! =現在時制(説明文向き)と過去時制(物語文向き)
「時制はいくつある?」と問うと…
「2」=現在時制と過去時制
「3」=現在時制と過去時制と未来時制
「12」=単純形、進行形、完了形、完了進行形の4つ×3[現在・過去・未来]…などの答えが出ます。
willを含む助動詞の体系が理解できれば「未来時制」はないと分かります(文科省もwillは「未来表現」のひとつだと見なしている)。

「3」だと思う方は、「時」(time)と「時制」(tense)を混同しています。
「12」だと思う方は、「述語動詞の形」(verb forms)と「時制」(tense)を混同しています。
「時制」(tense)は、文全体の調子です。
 「説明文や対話文」調=現在時制
 「物語文や報告文」調=過去時制
 仮定法は、現在形・現在進行形・現在完了形を3本柱として現在時を基調とし、
 「今、こうなっている」と話し手が聞き手に説明する調子(=現在時制)のなかで、
 If I were you,…「(もし)私(が君)だったら」と過去形を用いたときの違和感が持ち味です。
 例2)「週末は何するの?」What are you doing this weekend?、
    「来週引っ越すんだ」I'm moving next week.のような
    予定の表現で「現在進行形」が日本の学習者が思いつかないのは、
    「時制」が分かっていないからです。現在進行形は未来が担当領域です。

② 日本の英語教育の問題点は「教材や付録の不備」にあるとルターは考えています。
 例1) 規則動詞の発音(watched ウォッチトゥ)や
     不規則動詞の発音(won ワぁン, drewドゥルゥー)が出来ない生徒がいるのは
     発音が書いていないせいです。
     →ルター式英文法では「発音記号にカナ振り」を提唱します。
 例2) studyingのyを取ってしまう生徒がいるのは
     studiesやstudiedの「-es,-ed」と混同しているからです。
     →ルター式英文法では「つづりと発音のルールを中学高校教科書巻末付録に常時掲載すること」を提唱します。
     https://eibumpoluther.com/eibumpoluthers-appendix-rules-01-spelling-and-pronunciation-8pages/   
 例3)Do they ~?や Have they ~?など組み合わせが分かっていない生徒が多いのは「表」がないからです。

③ 現在完了形・現在完了進行形で見落とされている用法があります。
◆現在完了形《動作の未遂の継続》「(最近、ずっと)~していない」
※動作動詞の否定+起点(since ~)・期間(for ~)
 I haven’t seen her since last Friday. 私は金曜日から彼女に会っていない。
 I haven’t had a haircut for two months. 私は2ヶ月間散髪していない。
 How long have you not had a haircut? どのくらい散髪していないのですか。
◆現在完了進行形の《臨場感ある完了》「(さっきまで)~していたんだ」
(現在完了形《完了》「(すでに)~している」よりも臨場感がある。
 現在完了進行形《動作の継続》(今までずっと)~している)とは異なる。)
 I’ve been running. (さっきまで)走っていたんだ。

※別サイト「ルター式英文法」の記事もご覧下さい。
①【時制】②音楽の長調・短調のような、現在時制《説明調》・過去時制《物語調》
 https://eibumpoluther.com/eibumpoluthers-english-grammar-02-two-tenses/
②【英語学習者必見!】8ページでわかる「つづりと発音のルール」無料pdf付き
 https://eibumpoluther.com/eibumpoluthers-appendix-rules-01-spelling-and-pronunciation-8pages/
③【驚き】教科書に詳しく載っていないのに英会話で使う、現在完了形・現在完了進行形の3つの用法!
 https://eibumpoluther.com/aspect-present-perfect-and-present-perfect-progressive-details/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★「ことば」が私たちを護る= 憲法護持! 「緊急事態条項」阻止!
 NHK日曜討論(2015.9.6)で取り上げられた視聴者のことば「ことばだけでは護れない」を聞いて驚いたよ。
 憲法九条という「ことば」が私たちを70年間近く護ってくれていることを認識していないなんて。
 巨漢のアーミテージさんだって、憲法九条がブロックしているって思っているんですよ! 
 ことばをあなどってはいけない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆アレン・ネルソン『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(講談社文庫 440円) 
 新英研北海道大会でお会いしたことがある、ベトナム帰還兵のアレン・ネルソンさん。温和な小柄な方でした。2009年に亡くなられ、ご命日に合わせて文庫化してもらったそうです(淺川先生の新英研ML投稿による)。18歳で入った海兵隊で「お前達の仕事はなんだ?」「殺すこと!」と連呼させられ、人としての感覚を麻痺させられ、ベトナムへ。偶然に村の防空壕の中で出産シーンに遭遇、人として目覚めたアレンさん。私たちに戦争について多くを教えてくださいました。日本各地の学校などで講演されました。感謝とともにご冥福をお祈りします。(このHPの左にあるページ「アレン・ネルソンさん」の項目に詳しく書かれています。)2012/12/12読了。一読をお薦めします。
●NNNドキュメント「9条を抱きしめて~元米海兵隊員が語る戦争と平和~」で検索!
https://www.dailymotion.com/video/x2p1r37
●2012/09/03に萱森さんが教えてくださったサイト(アレン・ネルソンさんインタビューです):http://www.indybay.org/newsitems/2009/02/02/18567572.php

Calendar

Freepage List

講演について


1996 内山久さん ドラマ方式


1997 中村 敬さん 教科書の中の英語帝国主義


1998 羽仁 協子さん「問い直そう、学校の在り方を」


1999 國弘 正雄さん


2000 阿部 一さん


2001 佐野 正之さん


2002 根岸 雅史さん 絶対評価におけるテストづくり


2003 長(おさ)勝彦さん


★1998 津田 正さん


★2003.1 中村 敬さん


★2003.1 児玉房子さん


2004 荒木 晶子さん


2005 西垣 知佳子さん


★山田太一(NHKラジオでの講演)2006


2006 大津 由紀雄さん:小学校英語反対!


★2006 國弘 正雄さん


2007 名和 雄次郎さん:リーディング指導


★2007.8 アーサー・ビナードさん


★08江利川春雄さん:経団連の圧力+教育史


2008 酒井 邦秀さん:多読


★2009.8 アーサー・ビナードさん


2009 金谷 憲さん「英語定着への工夫」


2010 靜 哲人さん 発音矯正


2011 大井恭子さん ライティング指導


2012 望月正道さん:語彙習得


2013 久保野雅史さん(感想のみ)


2014 田中 茂範さん:英文法


2015 中村敬さん 英語教育再生案


2016 近江 誠さん スピーチ


2017 金森 強さん これからの外国語教育


2018 三浦 孝さん 生徒の願いを叶える英語教育


2019 髙橋 一幸さん 新学習指導要領を生かした授業設計


2020.5 オンライン例会 和田、吉牟田さん


2021.5 オンライン例会 上野さん・竹島さん


2022.11  Zoom講演 山中 司さん ALTとの関わり方


★高校実践報告(萩原)一覧2010.1.8更新


1997.11 会報52:英語劇1『Enoch Arden』


1998.11 会報62:英語劇2『シンデレラ』


2000.8 会報78:高1 oral introduction


2000.11 会報82:英語劇4年間のまとめ


2001.5 会報87:oral C、10年間まとめ


2001.9 会報90:3年間を見通した多読指導


2002.6 会報97:英語嫌いの生徒と作る授業


2002.9 会報99:研修


2004.2 会報111:読みの活動


2004.6 会報115:(感想のみです)


2005.3 会報122:定期テスト問題づくり★


2005.12 会報29:単語書き書きくん!


2006.4 会報131:辞書指導


2006.6 会報134:音読指導テクニック


2007.5 会報141:スピーチ発表活動


2007.9 会報143:大学ですべき9項目


2008.5 会報150:年間計画creative writing


2008.9 会報153:5つの研修報告


2009.5 会報161:新指導要領下での高校英語


2009.9 会報162:定期テストづくり


2010.5 会報171:高校3年間授業デザイン


★★2011.3 春休みの10の準備


「授業に歌を」(和田)一覧


ならず者 Desperado


ビューティフル・ボーイ beautiful Boy


もうすぐ17才 Sixteen Going on Sevente


想い出のサマー・ナイツ Summer Nights


私のお気に入り My Favorite Things


バイシクル・レース Bicycle Race


雨の日と月曜日は Rainy Days and Mondays


そよ風の誘惑 Have You Never Been Mellow


チェンジ・ザ・ワールド Change the World


プリーズ・ミスター・ポストマン


バラ色の人生 La Vie En Rose


きのう見た夢(平和の誓い)


虹の彼方に Over the Rainbow


すずめ Sparrow


シークレット Secret


ラジオ・ガ・ガ Radio Ga Ga


冬の散歩道 サイモン&ガーファンクル


★グッドナイト・サイゴン


ジョニーエンジェル Johnny Angel


This Night 今宵はフォーエバー


What Is a Youth? 映画『ロミオとジュリエット』挿入歌


ダイアナ Diana


ポリー、やかんをかけなさい Polly, Put the Kettle On


You Raise Me Up


中学実践報告(日比)一覧


01.7海外とメール交流


学校について:一覧


2002 関東ブロックの学校の状況


時事問題で知っていただきたいこと


アレン・ネルソンさん


2003.2 劣化ウラン


2007.1.5 きくちゆみ講演会


2007.5.3 オーバビーさん 憲法9条


★今までの例会の報告集!


会報No. 119 通訳トレーニング


「授業用アンケート」


年間計画:高校S先生+N先生 


年間計画:中学 I先生+T先生


テスト作問の観点:和田


ルター、学校へ行く


ルター、学校に行く(共学編1~21)


ルター、学校に行く(共学編22~31)


ルター、学校に行く(共学編32~42)


ルター、学校へ行く(県立高校編その1~8)


ルター、学校へ行く(男子高編その1~10)


ルター、学校へ行く(男子高編その11~22)


ルター、学校へ行く(私立女子高編12+6)


ルター、学校へ行く(私立女子高編13~25)


ルター、学校へ行く(私立高の2年目)


ルターの世界


★読書会「たいまつ」+ダンさんとの読書会


1:映画


2 テレビドラマ『冬構え』(山田太一)、『歸國(きこく)』(倉本聰)など


★イニシャルゲームを楽しもう!


読書案内2008.7 夏休み直前号


●「英文法、ルターの提案」第1回 時制 5.9.08


読書ノート:青木雄二『僕が最後に~』


読書ノート:水木しげる『三途の川~』


読書ノート:森有正『思索と経験~』


英文法、ルターの冒険 1~3話


ルターの提案01  時制


ルターの提案02 述語動詞の形


意見01:習意欲低下と学力低下を論じる


意見02:次世代に何を伝えるか


ルターの社会科ノート


2002 会報担当が考える英文法(時制、助動詞、冠詞)、ルターの冒険の前書き


2002 会報担当がオススメする英語学習書


ルターの提案:A is to B what C is to D.


ルターの提案:order ~ from の覚え方


ルターの提案:one, another, the other(s)の覚え方


エッセー:学校だからできること


ルターの提案:★五文型の覚え書き


■今の状況を自分のことばでまとめます:時事問題2017.11以降


ルターの提案:knew「知っていた」とlearned「知った」は異なる


■赤毛のアン『アンの青春』2019.12.9授業実践


ルターが寄稿した文章


黒川泰男先生を偲ぶ(1) 雑誌に寄稿


黒川泰男先生を偲ぶ(2) 追悼集に寄稿


書評:大江健三郎『「新しい人」の方へ』


笹田巌先生を偲ぶ(1) 追悼集に寄稿


笹田巌先生を偲ぶ(2) 新英研会報に寄稿


神奈川支部の例会 1996-2000までの記録


2001年度


2002年度


2003年度


2004年度


2005年度


2006年度


2007年度


2008年度


2009年度


2010年度


2011年度


2012年度


2013年度


2014年度


2015年度


2016年度


2017年度


2018年度


2019年度


2020年度


2021年度


2022年度


2023年度


韓国KETGとの交流


神奈川支部 例会の様子+例会の後で


2010.03.13 映画『ジュリア』、『荒馬物語』、ランディ・パウシュ


2018.12.01
XML
「ソシュール」理解のおかげで、
ルターは英語の時制、冠詞のことが理解できました。
ソシュールに感謝。
​​
1 恣意性と「シニフィアン」「シニフィエ」

※ソシュール(Ferdinand de Saussure 1857-1913) スイスの言語学者。ジュネーブ大学教授。文法体系としての言語(langue)と個人的言説(parole)の峻別、言語記号の聴覚・映像的側面と概念内容的側面の区別などの理論装置によって構造主義言語学の端緒を開き、現代の文芸批評・文化人類学などにも大きな影響を与えることになった。主著は『一般言語学講義』。(『角川世界史辞典』2001)


1.1 「恣意性」はそんなに大事じゃない、本当は「連合[体系]と統合」が大事だ!
 言葉と物を実感として捉えることから自由になってコトバとコトバの関係性を見ようよ、と呼びかけたソシュール。この恣意性という概念は「連合と統合」という重要な概念につなげる踏み台だったと思われるが、その踏み台のみに皆の注目が集まってしまった。それはひとつの悲劇である。
 「コトバとモノは恣意的な関係だって? でもカッコウはカッコウって鳴いているからカッコウなんじゃないか! カッコウはワンワンやコケコッコーって鳴いていないぞ」という日常的な実感に基づく素朴な反論がある。そこでソシュールは事柄と記号表現には有機的なつながりがあるという「動機性」という概念や「モノとコトバの関係が恣意的」というと反発があるので「コトとコトバの関係は恣意的」と歯切れの悪い修正を行った。でもそんな修正ではソシュールの真意が伝わらない。
1.2 言葉と物を離してみよう! 言葉の世界で戯れるために
 日本語を母語とする話し手には「なるほどイヌはイヌだ」と、まるで言葉が物に1対1対応で「名札」のようにくっついている感じがして、自明のこととして浮かんでくる。しかしながら、そうだからといってイヌの本質がじわーっとエッセンスのように「イヌ〜」と滲み出してきてきているわけではない。ゆえに「シンボル」とは異なるとソシュールも言っている(講義注解p. 21)。話し手の母語が異なれば「イヌ」ではなく、dog / chienなのだから。
 ソシュールの思想とはどんなものか。言うなれば「無の思想」だ。
​※ひとつの悲劇について:それはまるで「譲歩+主張」のレトリックで伏線として張った「譲歩」の部分を話の本筋の主張と勘違いされるのに等しい。例えば「私のこと嫌いかもしれないけれど…、あなたが好き」の前半部分は譲歩に当たるが、「私のこと嫌い…」と、そこまで聞いた相手が真に受けて、間髪入れず「その通り。お前なんか嫌い」が返ってくる悲劇に似ている。「いいたかったのは、そっちじゃないんだー」 ソシュールもそんな気持ちだったのではないかな?

2 ネガティブvs. ポジティブ 


2.1  「まんじゅうのたとえ」と「風船のたとえ」
 丸山圭三郎は、コトバ同士の対比的な在り方、コトバ同士の意味の奪い合いを「箱に入れた風船」にたとえた(丸山圭三郎(1981)『ソシュールの思想』岩波書店p. 96)。まず、まんじゅうのたとえでは、まんじゅうが箱から1つ消えるとほっかりと穴が空く。これは、ことばがポジティブな在り方だとしたら、という話。
 それに対して、風船のたとえでは、膨らんで押し合いへし合いしているいくつかの風船が箱に詰まっているとしたら、1つ消えてもぽっかり空間が空いてしまうのではなく、他の風船が膨らんできてその空間を埋めてしまって、あたかもその空間は無かったかのように、ふたたび押し合いへし合いが始まる。これがソシュールが提案した、ことばがネガティブな在り方だ、という話。
2.2 なぜ、無の思想は人気がないのか?
 ソシュールのいうように、ことばがネガティブな在り方だとして、1つの言葉が消滅しても、ポッカリと空洞が空くわけではない。同じように1人の人間が消えても世の中にポッカリと空洞が空くわけではない…、とアナロジー[類推]して、自分のことに置き換えるとどうもさびしくなってしまう。「私がいなくなっても世の中変わらないのか…」。無の思想が不人気なのはこういうわけだ。しかしながら、「存在は無である」と前提することでしか見えないもの、そうすることで見えてくることもあるのではないかとソシュールは言いたいのだろう。
 算数のツルカメ算だって、カメもツルも居るという前提なのに「全部がカメだとしたら…」から始める。感性から離陸する。理論っていうのはそういうものだ。

​3 共時態vs. 通時態 ラングvs. パロール​


3.1  通時態あっての共時態
 ソシュールは通時態を否定しているわけではない。「歴史的な言語学も良いけれど、今までの言語学は歴史(線の物語)であって、科学(面で説明している)とはいえない。ほら、ここに科学的な言語学もありますよ」とソシュールは提案したかっただけなのだ。しかし通時態に慣れ親しんだ人々からは、自分たちが否定されたかのように受け止められ、猛反発をくらった。
 この食い違いは天動説対地動説、男性対女性の争いと似ている。お父さんあってのお母さん、夫あってこその妻。昨今のお父さん、夫は、立ててもらえず、まるでそこにはいないかのごとく扱われて泣き寝入り。あるいは「おれはいるんだ」と激怒するお父さんや夫。悲しい世の中。でも男性あっての女性ですよ、やっぱり。
3.2 共時態は科学的
 「マルクス主義は科学的」と主張したいアルチュセールが科学的な共時態を擁護するのも、もっともなこと。
3.3 ラング
 「ラング」という概念は、記述言語学に対する封じ込めとして持ち出した概念だと思う。極論してしまうと、具体的なパロールを重視する記述言語学のアプローチは「あっ」「うー」とか、かまわず採集したり、実際のパロールは玉石混淆なのに「こういう言い方も実際にある」「ネイティブスピーカーはこういっている」と何でもかんでも金科玉条のように扱ったりする危険性がある。それは「木を見て森を見ず」になったり、「あれもある、これもある」と情報の洪水の中で溺れてしまったりすることにつながる。だからソシュールは抽象的なものを対象とする科学的な言語学でないといけないと考えた。ソシュールは「森」を見たかったのだ。

4 連合[体系]と統合





●ポール・リクール/久米博 訳『時間と物語 フィクション物語における時間の統合形象化』新曜社(1988)
言語学者バンヴェニストEmile BenvenistやヴァインリヒHarald Weinrichらの諸説を取り上げて、時間とテキストの関係を考察した本。 










体系
 その文化における概念のセット(体系)の中で「(コリント式やイオニア式などではなく)ドーリア式」というように、暗黙の内に対比的に意味が定まる。また、この概念のセット(体系)は聞き手がその文化を共有していない場合には意味の確定の場が見えていない。
​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.12.23 08:50:25
コメント(0) | コメントを書く
[英文法、ルターの提案] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.