テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:フライブルク
先週末に、フライブルクの市庁舎前広場に、例年通りクリスマスマーケット(つまりはクリスマス市、ドイツ語ではヴァイナハト・マルクト)が立ちました。
ふだんの市庁舎前広場は↓のような風景。 フライブルク市、市庁舎前広場(Rathausplatz) posted by (C)solar08 向こう側に見える建物が市庁舎です。 といっても、市役所のすべての部門が入っているわけではなくて、市議会とか市長室とか広報課などが入り、いわば市の顔とでもいいましょうか。市の土木課や建設課などの技術系は、別の場所にある専用の建物に、住民課はわが家の近くの建物、環境課はまた別の建物内に、、、といったように、部署がいろいろな地域に散らばっている点が日本とちがうかもしれませんね。 そうそう、教会でなく役所で挙げる結婚式も、この市庁舎の一室で行われるので、よく市庁舎前広場には式を挙げたばかり、あるいはこれから挙げるカップルと式の参加者、花や空き缶で飾られた車が見られます(この広場はもちろん自動車進入禁止ですが、そのときは例外)。 ちなみにドイツの町は、教会と市庁舎とそれらを囲む広場が中心をなし、さらにこれらの周囲に商店や飲食店がならぶ、というのが典型的な構造です。 クリスマスを四週間後に控えた今は、市庁舎前広場は フライブルクの市庁舎前広場に立ったクリスマスマーケット posted by (C)solar08 のように様変わりしました。 焼きソーセージやクレープなどの飲食スタンド、ロウソク、クリスマスの飾り、アクセサリ-、ランプなどなど、さまざまなクリスマス工芸品やクリスマスプレゼント用の品を売るスタンドが並び、子ども用にメリーゴーランドも。 ベルリンなどのクリスマスマーケットとくらべれば、規模は小さいのですが、それでも年々、場所を広げ、周囲の横丁やブロックを一つへだてた隣の広場にもスタンドが立つようになりました。 でも、クリスマス市の風景は、二十年以上前にフライブルクに来たときとほとんど変わっていません。とくべつきらびやかになったわけでも、豪華・モダンになったわけでもないところに、親しみを感じます。キリスト誕生のシーンを見せる木彫り人形も昔のまま。 市で売られているものは、生活必需品というよりも、装飾品がほとんど。近づくクリスマスの気分を盛り上げるようなものと言ってもいいかもしれません。 フライブルク、クリスマス市のスタンド posted by (C)solar08 この写真の後方に見えるのは、岩塩(つまりは塩の固まり)の中に電球をはめこんだ電気スタンド。電球の熱で塩の蒸気が立って健康にいいとかで、一時流行りました。私もどういうわけかもってます。ほんのりした明るさはロマンチックではありますが、省エネ電球が使えないのが欠点です。 実は私の関心はこういう飾りよりは、食べることにあります。 お目当ては、クリスマス市でかならず出されるKartoffelpuffer。ジャガイモのパンケーキと訳されていますが、子どものころに見た「主婦の友」の付録の料理本には、「ジャガイモのお焼き」と書かれていて、子ども心に、いったいどんなもんなんだろうと想像をめぐらしたものです。当時は、まさかドイツで暮らすなんて思いもしませんでした。 ポテトのお焼きのスタンド posted by (C)solar08 ジャガイモお焼きは、粗くすりおろしたジャガイモに小麦粉と卵を混ぜて、ふつうはフライパンでたっぷりの油で焼くのですが、クリスマス市の業者は揚げています。この方が格段に早くできるからでしょう。私は自分で作るときには、焼いています。 でも、 ポテトのお焼きとアップルムース posted by (C)solar08 クリスマスマーケットで食べたこの一皿(ポテトケーキ2、50ユーロ、アップルムース50セント、合計3ユーロですから400円ぐらい)もかりっとしていて、おいしかったですよ。いくらでも食べられそう。 さて、この写真でわかるように、ポテトケーキに限らず、その場で食べる食品は瀬戸物のお皿と金属のフォークで出されます。こうしたリユース皿には1ユーロのデポジットが加算されるので、私はいったん4ユーロを払ってポテトケーキを受け取り、食べたあとにお皿を返して、1ユーロの払い戻しを受けたわけです。 このシステムは、野外音楽祭でもサッカーの試合でも、お祭りでも同じです。 フライブルク、クリスマスマーケットのグリューワインスタンド posted by (C)solar08 クリスマスマーケットにつきものなのは、なんといってもグリューワイン(写真の左端に言葉が読み取れる)。直訳すれば灼熱のワインですな。 赤ワインに砂糖、シナモンなどの香料を加えて熱くしたワイン。寒い季節に体を暖めるには格好の飲み物。以前は飲んだのですが、実はクリスマスマーケットのはあまり好きではありません。ひどいワインが使われているという噂ですし、香料のもティーバッグ形式のミックスを使っているらしいのでおいしさが今ひとつ。それに、アルコールに強くないので、砂糖が入っていたり、熱かったりすると、すぐに赤くなるから、外ではご法度。家でつくることにしました。 この写真の右端のPfand(預かり金)と書かれた文字が、コップがリユースであることを示しています。クリスマスの模様が入ったこのコップ。1,50ユーロの預かり金を払うので、返さずにそのままおみやげに持ち帰ってもいいわけです。コップの返却もせず、デポジット金の返却も受けずにテーブルにおきっぱなしにしていく客もいました。あー、もったいない、二つだから3ユーロじゃない!ポテトがもう一皿食べられる! グリューワイン自体の写真がなくて、すみません。知らない他人が飲んでいるところを撮るのがためらわれて、遠くから撮影したのですが、ぼけてしまいました。 フライブルク市庁舎の正面 posted by (C)solar08 市庁舎の正面には、「お立ち台」みたいなバルコニーがあって、たとえばサッカーチームがブンデスリーガの一部に昇格したときとか、連邦の首相といった重要人物が当市を訪れたときなどに、ここにお立ちになるわけです。 ところで、クリスマスを控えた町の風景ですが、 フライブルク、歩行者ゾーン・マルティン門 posted by (C)solar08 のように、これも日本のようにきらびやかではありません。 昔とおーんなじで、街灯にモミの葉をまきつけ、豆電球をつけただけ。 しかも、電球は節電のためか、日中は点灯されません。 さすがに、市の管轄ではない店やデパートのディスプレイはちょっと華やかで、昼間から点灯させてはいますが、それでも、東京などのクリスマスディスプレイの足元にも及ばないほど、地味です。 でも、私はドイツのこういう質素な面、好きなんですよね。遅れている、っと言うこともできるけれど、これで十分きれいだよって言ってあげたくなる。 夕方になって、やっと灯されたわずかな豆電球でちょっとセンチメンタルなクリスマスの雰囲気がかもし出されます。きらびやかでないからこその、この気分。 毎年、この季節になるたびに、はじめて当地に来て、はじめて体験したフライブルクのクリスマスを思い出します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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