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カイバーマンのお仕事2

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2006年10月01日
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カテゴリ:BLEACH SS
日曜、スーパーの大売り出しに行ったら、井上と出くわした。
どうせ近くに住んでいるので、二人分の荷物を持った。
「ありがと茶渡君!後でおかず持っていくね」
「いや、いい……」
どうせたいした量ではない。

「あ、露草だ!露草って、秋にも咲いているんだね」
「ム」
住宅街には、意外と色々な花が咲いている。しかし露草は比較的珍しい。
「露草って、なんとなく石田君っぽい感じがする」
「……石田?」
「うん。でもって、たんぽぽが黒崎君。どう?」
どうと言われても……俺じゃなく、当人たちがどう思うかという問題ではないだろうか。
どっちも可憐だし、雑草だし。
「どちらも外野の花か」
「うん」
井上は、感覚は他人とずれているが、馬鹿ではない。どんなに突拍子なく思えても、それなりの理由があるのだろう。

「……茶渡君、夜、用事ある?」
井上の部屋の玄関の前で聞かれた。
「いや、ない」
「じゃあ今夜はお鍋にしない?石田君ちで!」
「ああ」
井上は石田を構いたがる。恐らく接触度は一護相手より高いだろう。
だから時に、約束もなしに押しかけていこうなどと思いつく。

一護は深く根を張る。何処まで種子を飛ばしても、自身はけして揺らがない。
石田はすぐに花を閉じてしまう。閉じてしまえば俺たちは多分見つけられない。
俺たちの指先には、既に石田の色が滲んでいるのに。

だから井上も俺も、石田から目を離さない。

その晩、石田は呆れ顔で俺たちを迎えた。
追い返されなかったことより、石田がまだそこにいることにほっとした。





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最終更新日  2006年10月01日 23時42分21秒
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