カテゴリ:BLEACH連載SS
(8月31日 茶渡 泰虎)
「いやあ、いい個体ですよ。人間よりやや緩やかに老化、寿命は50年の予定です。まあ実際の数値は使ってみないとわかりませんが……」 「そういう問題かよ!」 「実はもう親御さんの許可を得ていまして。後は戸籍を書き換えるだけでOK!」 「当人の意志は何処行ったんだよ!」 一護が浦原さんと掛け合っている横で、当の石田は黙ってちゃぶ台に突っ伏し、井上がその背中をぽんぽんと叩いている。 石田は本来、4月3日(だったか?)に死んでいる。 浦原さんのおかげで中身だけでも無事に済んだのだから、オレたちはこの人に感謝すべきだろう。 すべきだが。 「この5ヶ月、特に問題なく生活できたじゃないですか」 「どこかだよ!どこがだ!問題山積みだったじゃねえか」 「……まあそれは置いといて」 「置くなよ!拾えよ!」 確かに色々あった。 オレはつい井上に目を滑らせ、そして何か違和感を覚えた。 井上は石田にぴったりくっついて、お茶を飲ませたり声をかけたり甲斐甲斐しく世話を焼いている。 そうしながら笑っている。 いや、笑っているように見える。 心配げな表情を浮かべているのだが、ここ暫く井上に纏わりついていた、強張ったような厳しい雰囲気がなくなっている。 「……?」 まあいい、と思ったのが失敗だった。 翌日、井上は学校に来なかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月26日 21時44分31秒
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