カテゴリ:推理小説
前回の続き。
小学生のときさらわれ、15年間地下室に閉じ込められていた秋吉 かなこ。 自由になった彼女は、まず自分を捕らえていた男を殺し、次に探索に手を貸していた女性議員を殺した。 しかし常人には、その行動パターンが読めない。 彼女が閉じ込められていた地下室に入った九十九一行は、彼女が多重人格となり、彼女を助ける少年の人格が殺人を犯したこと、その標的が 「テレビに出ていて、事件に関係があり、比較的居場所が掴みやすい」 ということで決定していることを突き止める。 だが、第三の事件をとめることはできなかった。 被害者たちにもある程度落ち度があるのが、少々の救いだ。 かなこの身柄は確保できたが、このままでは間違いなく一生病院。 「これからは、天国か、地獄かですね。多重人格か、そうかないかで」 しかし以前彼女を見かけたことのある刑事は、そのときの彼女は 高圧的な俊介でも、 享楽的なショウコでも、 気弱な本人格のかなこでもなかったと証言する。 九十九は俊介に、「あなたがいる限りかなこさんは一生隔離病棟入りですよ」と脅しをかける。 確かにそれじゃ、自由になった甲斐がない。 犯人だけを殺す分には、正当防衛ですんだ可能性が高いのに、よほど他者に対する恨みが深いのか……。 「15年ぶりで見る青空は綺麗で……私は本当におかしいんですかね」 そして、憎悪の光に目が眩んだ復讐の女神は箱の中に戻る。 死刑となるか情量酌量がつくか、それは定かではない。 とにかく、裁判が紛糾することは確かだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月27日 20時51分52秒
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