カテゴリ:語学・資格・学び直し
先日「宅建士」の登録のための書類を揃えるのが面倒だということを書きましたが、そういえば、私、もうひとつあまり知られていない「認定心理士」なるものに登録します。資格といえるようなものでなく、「大学で心理学を履行した」という証明のようなものなのですが、そのための書類を揃えるのがまた大変だったことを思い出しました。
心理学系の資格でもっとも権威があるのはおそらく「臨床心理士」と「公認心理師」でしょう。 学校や病院、公的機関のカウンセラーなどの募集は、「臨床心理士」の資格を要件とするものが多いです。取得するためには、心理学系の大学院を修了する必要があります。 「公認心理師」は比較的近年できた国家資格で、こちらはさらに大学でも心理学を履修する必要があります。 法律や会計関連の資格のように試験そのものが難しいというよりは、福祉系の資格などと同様、大学または大学院を修了しなければならない、という意味で、社会人になってから取得するにはハードルが高いものです。 実は、私も心理学科を卒業していますが、私が在籍していた当時、このような資格は存在していませんでした。社会人になってだいぶ経ってから、資格の存在を知って、仕事をしながら取得できないかと調べたことがありますが、社会人が入学できる大学院はあっても、授業が平日昼だったり、通信制の大学院といいながらも実習などで相当数の通学が要求されたりで、普通に働いている社会人が取得するのはあまり現実的ではないと思いました。 一方で、カウンセラーという仕事は、特定の資格がなければできないというものではありません。そのため、「〇〇心理士」とか「〇〇カウンセラー」と称する、(「ナンチャッテ」とまではいいませんが)よくわからない民間資格が山のようにあって、非常にまぎらわしいのが実情です。 認定心理士も、世間から見れば、ある意味、そうした「ナンチャッテ」資格の一つですが、少し異なるのは、主宰しているのが本家の日本心理学会だということです。 前述のとおり、この呼称は特定の技能等を証明するものでなく「大学で心理学を学び、心理学の最低知識と技能を有する」ことを証明する基礎資格という位置づけです。 たとえば、学部や学科が心理学でない人にとっては、心理学をそれなりに履修したという証明にはなります。 日本心理学会がこのような呼称資格を設けた背景には、学会の傘下の団体が資格を乱発したことがあると言われています。とはいえ、この呼称もまた、まぎらわしいという意味では、それに輪をかけている感は否めないです。 なお、取得にあたって、試験はなく、書類審査だけで済みます。費用は審査料1万、認定料3万の計4万円と結構かかりますが、これはまあ、日本心理学会へのお布施のようなものでしょう。 私の場合、登録したきっかけは、これが心理学の世界と再びつながりを持つ何かのきっかけにならないかと思ったからなんですが、もうひとつ、当時申請の書式等が変更になり、その期限が迫っていたということもありました。 詳しくは覚えていないのですが、2019年の春に申し込み要項が変更となり、新要項では、私のような卒業して日時の経過している者が書類を揃えるのが著しく困難でした。それで、旧要項で受け付けてもらえるギリギリのタイミングで、滑り込みで申請したのでした。 申請に必要な書類というのは、たとえば、 ・心理学関係科目修得単位表 ・基礎科目c領域実験実習リスト(詳細は割愛) ・基礎科目a,b,cのシラバスのコピー( 〃 ) ・成績証明書または単位取得証明書 というようなものがありました。 最近卒業した方にとっては、集めるのになんの困難もない書類だと思いますが、私のようなケースでは、そもそも40年近く前のシラバスなどが残っているはずもなく、といって現役で心理学に関わる仕事をしているわけでもなく、それでも履修内容できるだけ詳しく記入して提出せよということだったので、かなり大変な思いをしました。 大学の研究室に電話したり、実家の過去の書類を引っ張り出したり、担当教官の過去の発表物を調べたりと、あまりに面倒だったので、途中で申請を断念しようかとすら思いました。とはいえ、長らく忘れていた心理学関連の用語や知識に久しぶりに触れたり、大学の方と話をしたりと、それはそれで刺激的な作業でもありました。 そんなわけで、試験に合格したわけでも何でもないのですが、認定証をいただいた時にはそれなりの達成感と充足感があったものです。 ちなみに、この認定証、登録料が高価なだけあって、パウチをしただけの「通訳案内士証」などよりよほどしっかりと作られています。紛失して困るものでもないので、話のネタ用に、財布に入れて持ち歩こうかと思います。笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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