テーマ:毎日、一歩一歩。(2526)
カテゴリ:アーティストの一歩一歩
この日、テディベアテラス♪は訳あって予約貸しきり。
暖かく穏やかなこの日、午前中という予約でしたが、2時過ぎにお客様到着です。 実はこのお話、だいぶさかのぼります。 秋に新宿と京都で絵付け教室の展覧会があり、今年の新作として「テディベアとティータイム」 という6枚セットのお皿を描きました。 京都から帰って、その写真をアルバムにしてイーネ・イーネのマスターに見せていた 時のコト。 マスターが、「この作品はゆみちゃんの真骨頂だね。このスタイルでどんどん描くといいよ。」 と褒めてくれていました。 久しぶりにイーネ・イーネでワインとチーズをいただきながら、のんびりとマスターに 聞いてみました。 「そう言えば・・・去年は一月に公募展に入選して、六本木の国立新美術館に出ていたんですよね。 今年もきっと、公募が始まってると思うんですけど・・・ ああいうのは、毎年挑戦するものじゃないですよね。」 今年は、お休みしよう・・・ 2008年は公募展に二回入選したけれど、 2009年はなんか違うことしようかな? と、自分ではほぼ決めていたのです。 ところがマスターは意外なお返事。 「ゆみちゃん、公募展は毎年挑戦して、続けて入選してこそ価値があるんです。 せっかく大先生に見初められたのだから、きっと今年も応募を待っていますよ。」 まだのんびりムードのゆみ。 「そうですねえ、ご縁が出来たんですものねえ。」 とのんびり言ったら、 マスター怒り出しました。 「そんな言い方をすること自体、ゆみちゃんは自分のことも、あの先生の偉大さも なんにもわかっていないです!!」 あらら。 マスターからお話をされて、ちょっとずつ理解。 そっか、ダメでもともと。 挑戦し続けるごとに意義があるんですね。 ゆみは自分では、自分のことアーティストだとは思ってないんですけど、 あそこに出た方たちは、皆様アーティストであって、そこの一員になったと 言うことは、ゆみもアーティストの端くれで、それは一年きりのことじゃないんですね。 ゆみは、一回に自分の作品を4作出していただいたので、一生の思い出と思っていたのですが。 昨年一月に出た公募展は、TOPページにもあるとおり、「平泉展」。 入選のいきさつは、前に日記にたくさん書きました。 大先生自ら、新人発掘のために回られてる中で、ゆみは地元の公民館のお祭りで 発見されたのです。 「 六本木に美術館が建ったら、あなたを絵を展示しましょう。」 という狐につままれたようなお話でした。 長年の会員の方は、必ず作品を発表してるみたいですが、公募の方たちは、 毎回その度に、審査があります。 とにかく・・・挑戦!してみましょうか。 まずは、今年の作品を見ていただかなくては・・・ ということで、事務局にお電話。 「○○です。」と、告げると女性の先生が、「ああ、お元気ですか?」と、 すぐわかってくれました。 「ご無沙汰しております。その節はお写真を送っていただいてありがとうございました。 今年も公募展、応募してしてみたいのですが、まだ間に合いますか?」 と、恐る恐る伺ってみました。 「あら、嬉しいわ。是非挑戦してみて。お待ちしていましたよ。」と、快いお返事。 自分で作品をお持ちしようと思っていたのですが、先生が、 「今度、あなたがお店を開けるのはいつですか?また、お家にお邪魔して審査させて もらっていいのかしら。」 と、おっしゃってくださいました。 それは、願ってもないお話です。 こんなごちゃごちゃなお店だけど、昨年度もここに、先生と大先生が見に来てくださって、 ゆみ自身を、テディベアテラスごと評価してくれました。 「散らかっていますけれど、もしよろしければ・・・」と、18日に決定。 さて・・・ほんとにごちゃごちゃに散らかった店内。 でも、クリスマスフェア中ですから、片付けるわけにもいきません。 まあいいや。ダメでもともと。 丸ごとお見せしちゃえ!! 18日午後・・・ ちょっと緊張しつつ、お客様をお待ちしていました。 女性の先生には、「陶器のお皿でも大丈夫でしょうか?」と告げてありました。 「まずは、見てみましょうね。みてからじゃないと、お話は進められませんからね。」 というお返事でした。 ゆみには実はプランがあって、お皿はそのまま飾るわけではないとご説明してありました。 「今から家を出ます。」とお電話があって、予想よりだいぶ待ってから、先生ご到着。 なんと!! 杖をついた大先生もご一緒です。お2人で歩いてきてくださったんですね。 ご挨拶もそこそこに、奥に座っていただきました。 この一月にお世話になってから四月ごろにも偶然お会いしていましたが、 そこからはご無沙汰だったのですが、大先生はお元気そうでした。 早速「これなんですけど。」と作品をお見せして、どういう風に作り変えて発表するかを 説明申し上げました。 ドキドキ。 女性の先生が、「あら、いいじゃない」とおっしゃっても、大先生は黙っていらっしゃいます。 と思ったら大先生。 「芸術というものは実はね・・・」と、語りはじめ・・・ ゆみは立ったまま、そのお話をお聞きすることに・・・。 「実は世の中には、平面の作品と、立体作品と二つしかなくてね・・・」 「人間は自然の中に生きているので、その自然を目で見たものに残すために・・・」 「全て一から何かを生み出していくことが・・・」 「下手でもいい。心が感じられるものじゃないと・・・」 と、お話は果てなく続いて・・・ これは、今ゆみだけのために先生が語ってくださっているのだと思うと、本当に恐縮。 全てを理解するのはムリなのですが、それでも先生が言おうとしてくださることを ちゃんと理解しようと必死でした。 間にゆみが挟む言葉で、時折女性の先生が、 「やっぱり彼女は、心がわかってるんですねえ。先生。」と、相槌を打ってくださいました。 が、ゆみは実は、大先生がゆみの作品を気に入らなくて怒ってるのか、と考えていました。 で、お話の合間に、 「実はもう一つ見ていただきたい作品があるんですけど。」と、机の下をごそごそ。 「まだもう少し描き込みたいんですが・・・」と、言い訳しながら、そっと出したのは、 9月に描いたミニバラのボタニカル。 「おおー、これはいいじゃないの!!」と すぐに反応してくれたのは、なんと大先生!! 「これは、よくがんばったねえ。大変だったでしょう。」と大先生。 「今年のも素敵だったけど、これは一段と上達したわね。」と女性の先生。 半信半疑のゆみが、「でもまだ描きこみ不足で色が薄いんです。」と言ったら、 「そうやって、みんなと同じにしてしまうと、絵に個性がなくなってしまうんだよ。」 と、大先生。 どうやら、優しい色使いがゆみの個性だと評価してくださっているようなのです。 この額の中を区切るアイディアも気に入ってくださいました。 「これは是非、出しましょう!!」 と、一発合格が決まりました。 びっくり。 でも、最初に思っていたテディベアのお皿は、やっぱりダメだったかあ、と 思ったそのとき・・・ 「こっちもいいねえ。形式をそろえて、これは、上下に飾るから、 今年はこの二作を合格としましょう。」 と、大先生。 「もちろん、私も合格です。特にこちらのお皿のセットが素敵じゃない?」 と、女性の先生も合格を出してくれました。 会の決まりで、誰か一人の先生の推薦では、公募に合格とは言えないのです。 審査員の先生方の合格を、二人以上いただかないと、入選にはなりません。 「楽しみねえ、催促はしないけど、今年も応募してくれたら、と思ってたのよ。」 と、先生が言ってくださいました。 「あなたのアーティストとしてのよさは、素材にこだわらず、形式を特定せず、 自分を描けることだから、今年も絶対二作を一緒に展示しようね。」 大先生からもありがたいお言葉を頂戴しました。 思い切って、作品をお見せしてよかったです。 これから、ゆみは作品にある加工をして、別の作品に仕上げていきます。 今ある作品が台無しにならないように、がんばらないといけません。 「期待しているわ」と言っていただいたんだから、ファイト!! 気がつけば夕方になっていました。 大先生は、ゆっくりお散歩して帰るから、と先にお帰りになりました。 女性の先生は、「私、お買い物していっていいかしら。」と、お客様に早変わり。 「楽しそうなものがいっぱいあるわねえ。」とじっくり見てくれました。 実は外には、「お店やってます~?」と近所の方や、子供達が待っていてくれたので、 遅くなったけれど、テディベアテラス♪開店!! アトリエ教室をやっている先生は、小学生のクリスマス会にと、 シルバークレストを植えたツリーや、細かいプレゼントセットをいっぱいお買い上げ くださいました。 遊びに来た子供たちとも仲良くお喋りしながら、暗くなるまでゆっくりいてくださいました。 「こんなに子供達に慕われて、いいお仕事ねえ。人柄にぴったり。」 と、言っていただいたのですが、 「残念ながら、これはちっともお仕事にならないんですよ。 楽しい一生の趣味です。」と、お答えしました。 「そうよねぇ、安すぎるし、手をかけているしねえ。でも幸せねー。 みんなが楽しくなる場所を作っているんだから。」 と、言ってくださいました。 そうなのかもしれません。 全てはここから始まったんですものね。 イーネ・イーネのお仕事も、アーティストの芽が出たのも、個人的なお付き合いも。 この日、自分をちょっと理解して、またこれからもがんばろうと思った有意義な日になりました。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年12月27日 11時52分08秒
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