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2008.08.12
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カテゴリ:今日読んだ漫画

天顕祭 白井弓子 著

2007年度の文化庁メディア芸術祭の漫画部門で奨励賞を取った初の同人作品。本書はその作品を一般コミックス化したもの。

舞台は日本のようなどこか。「汚い戦争」と称される核戦争と思しき戦争が過去にあり、そのためこの世界は汚染された土地に覆われている。数少ない「飛び地」と呼ばれる清浄な土地に、高層と地下に延びる都市を作って人々は生きている。
そんな都市で、とび職の若頭をしている間中と、ひょんなことから間中に拾われてとびの仕事についた木島咲。真面目で弱音をはかない咲を、間中は気に入っていたのだが、天顕祭が近づくにつれ、咲の様子がおかしくなっていく。家出人として捜索願を出されていた咲は「天顕祭が終われば。。。」そんな言葉を残したまま故郷に連れ戻されてしまう。

放射能のような汚染「フカシ/フカレ」に命を脅かされながら生きる人々。日本のようなそうでないような不思議な世界と、スサノオとヤマタノオロチ伝説という古風な伝承・祭の組み合わせ。そして、全編を通じて扱われる竹。(フカシを取り込んで、土壌を浄化していくというのは、ナウシカの腐海と似た扱われ方ではあるが、竹であるからなのか腐海よりはずいぶんさわやかな印象だ。)見たことのない世界なのに、何だか懐かしい、そんな既視感を随所で感じる物語だ。

さて、クシナダ姫と言えば、スサノオのお嫁さんの筈なのだが、咲の夢ではクシナダはオロチの君の元へ向かおうとしている。何だか腑に落ちないイメージだ。スサノオはどこへ行ったのか?オロチの君とはいったい誰なのか?咲はいったい何から逃げようとしているのか?そして、間中は咲を救えるのか。。。

いろんな立場のいろんな想念が錯綜し、やがて不自然なピースがふさわしい場所へかちりとはまっていくラストシーンは圧巻である。(ただ、最後は台詞ではなく想念で進んでいく上に憑依されたり戻ったりめまぐるしくて少し混乱した。再読して理解。)

作者は、実に20年をかけてこの作品を描いてきたらしい。(このあたりの経緯の情報が錯綜しているようだ。ご本人のブログによると、同人活動を始めたのが20年前。この作品の着想を得たのは10年前で、そこからぼつぼつ描かれて来たらしい。)メディア芸術賞に選ばれるにふさわしい、味わい深い作品だと思う。
地道な努力が実を結んだ作品集である。

ところで、この唇をかみ締める咲が印象的な表紙だが、ぜひ一読してから中をめくってみて欲しい。どっきりするから。
私はちょっとぞっとした。。。(゜ー゜;A

 

白井弓子さんのHP:弓工房
yumikoub.jpg

 






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最終更新日  2008.08.14 10:35:38
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