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テーマ:今日の出来事(287749)
カテゴリ:世界
オタワ川を挟んでオタワの対岸にあるガティノーから、カナダでも珍しい蒸気機関車が走っている。専ら観光・娯楽向けなのだが、何やら懐かしい。
片道64kmを1時間半揺られると、ガティノー川の畔にあるウェイクフィールドに着く。PKOの生みの親でノーベル平和賞を受賞したピアソン元外相(元首相)がここで生まれ、ここで眠っている。 あたかも蒸気機関車に乗ったかのような書き出しだが、今日は車で移動した。 巨大な(ガザ地区や伊豆市と同じ363平方キロ)ガティノー公園の中に、フィリップ湖という湖がある。そこでペダルボート1時間、カヌー1時間という静かながらハードな楽しみを味わった後で、帰宅途次にウェイクフィールドに立ち寄った。 ウェイクフィールドは終着駅だ。だから、機関車の方向転換用ターンテーブルがある。実際にそれが使われるところを子供達に見せたかったが、蒸気機関車は8月には1日1往復しか運行しておらず、残念ながら時間が合わなかった。 蒸気機関車というと、どうしてもノスタルジックな想いに駆られる。子供の頃何度も乗ったが、トンネルの中で窓を開け放して顔を真っ黒にしたものだ。 思えば肺も真っ黒になっただろうが、当時は誰も気にしなかった。煙は毎日父が口から吐いていたし、隣にあったクリーニング屋の煙突からも黒煙が棚引いていた。のどかな時代だったことは間違いない。 この町には、赤い橋がかかっている。ジェンドロン橋。クリント・イーストウッドとメリル・ストリープが演じた「マディソン郡の橋」を彷彿とさせるので、初めて来たような気がしない。 車で通れない木造の橋を歩いて渡り、下を蕩々と流れる川まで降りてみた。川面にきらめく陽光に目がくらんだその瞬間、ザボンという音。すわ、息子が橋から落ちたかと思いきや、地元の男の子が8mの飛び込みをしたのだった。そして、その子は30mほど泳いで、川辺にある古い一枚岩の上で甲羅干しになった。 橋を戻る際、運動靴と洋服が橋のど真ん中に残されていた。これが本当に脱ぎ捨てられたという感じで、何とも滑稽なのだが、同時に羨ましくもあった。今も日本の田舎では同じ風景があるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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