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テーマ:海外生活(7771)
カテゴリ:世界
外国の食料品コーナーが面白いのは、日本にないものが多いからだ。
イタリアではスーパーより市場の方が、見応えも活気も新鮮さもあった。 昔は首をひねってそのままの鶏が針金に吊り下げられ、家庭で羽をむしられるのを待っていた。豚の頭がボンとケースの上に乗っていれば、閉じられた目が開きはしないかと凝視したりもした。 野菜は、畑から無造作に持ってきて並べてあるだけだった。形も大きさも不揃いだが、なぜか旨そうに見える。調理を要しない野菜は、土を良く洗って生でかじるのが一番だった。 日本のピーマンより何倍も大きくカラフルな肉厚ピーマンを見て驚き、鎧に包まれたような朝鮮アザミをどうやって食べるのかと想像を巡らした。他にも名も知らぬ食べ物や調味料がわんさとあったが、外国生活で文化の違いを肌で感じるのは、まずこういう時だろう。 イタリアは基本的にエスニック料理が流行らない。故に、市場で売られる食料品や調味料の範囲が限られる。カナダは移民国家だから、世界中の野菜や調味料が手に入りそうだ。つらつら書きたいが、深入りすると日記が終わらない。 昨日家内とスーパーにいた時、食用油のコーナーで一つ気付いたことがある。日本ではサラダ油や天ぷら油という風に用途別の油がある。ここではコーン油、カノーラ油、ピーナッツ油など、飽くまで原料別で分けられている。 カノーラは菜種の一種で、カナダの十八番(おはこ)だ。日本にも大量に輸出され、カノーラ油はサラダ油にブレンドされている。不飽和脂肪酸の割合が多いので、悪玉コレステロールを下げてくれるそうだ。 また、分子構造が安定しているので酸化しにくく、天ぷらなどの揚げ物用にも向いている。ゴマ油のように重くないので、ヘルシー志向の現代人におあつらえ向きと言えよう。 日本において、形と大きさを粒揃えにし、見た目も美しくし、何かとブレンドしてしまうのは、そうした方が売れるからなのだろう。だが、人間には不自然なものより自然なものを求める欲求があるのではなかろうか。もしそうでなくなったとしたら、人間は自然から不自然に大きく傾斜したことになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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