貯蓄がドォ~ンと減れば、保障不足に。
メール顧問会員のJさん(40代)
(相談:ライフプランニング)
家計の現状診断は・・とっくに終わっています。
その時点では何の問題もないキャッシュフローで、
一生・・安心の将来が見えていました。
※生命保険が必要なのは夫だけ。
たまたま・・計算で出た必要額分だけ、
三角形の保険で加入していました。
本当に偶然の一致、珍しいことです。
もちろん、他の生命保険にもガバガバ加入。 (^^ゞ
・・で、夫のこの偶然の保険以外は
すべて解約処理!・・で清算終了しています。
その後・・新たな設定をして
生活設計のシミュレーションを行ないました。
( 支出項目で増額があったりして・・ )
・・ら、夫の必要額が220万円増えてしまいました。
この分・・どうしよう? ということになりました。
その際の考え方ですが・・、
このように金額があまり大きくない場合は、
安易に・・「また保険で」とは考えないことをお勧めします。
なんと言っても、「保険加入=お金を捨てること」・・ですから。
( 生命保険は、他に方法が無い場合の最後の手段に )
たとえば・・
〇支出
生涯の44年間で、どうにかならないか?
44年間は528ヶ月です。
220万円 ÷ 528ヶ月 = 4,170円
これからの人生で、月に4,170円ずつ支出を圧縮
できないか? ・・と考えてみたい。
〇収入
働く予定の23年間では・・276ヶ月あります。
220万円 ÷ 276ヶ月 = 7,971万円
1ヶ月に約8千円ほど収入を増やす工夫はできないか?
・・と考えてみたい。
〇収入・支出を合体で
どちらか一方だけでは難しい場合は・・、
収入と支出の両方で工夫して、「生涯で」220万円を
作ることはできないか? ・・と考えたいです。
さらに・・住宅ローンの繰上げ返済についても、
どうしたらいいか相談を受けています。
繰上げ返済がからむと・・、
生命保険の必要額に大きく影響します。
( 両者は蜜月・・の関係? )
『住宅ローン繰上げ返済と生命保険の蜜月関係?』
の・・お話、本日の本題!・・です。
Jさんの住宅ローンは以下の内容・・です。
・融資日 : H21年1月
・借入額 : 1,340万円
・金利 : 2.55%
・返済期間: 25年
・返済月額: 60,452万円
このローンをスナオにそのまま返済していくと・・、
・完済は・・60代。
・支払い利息総額は・・474万円。 ( もったいない・・ )
Jさんの現在の貯蓄残高は・・約760万円です。
これから先のキャッシュフローは、右肩上がりです。
( 子どもの教育資金がかかる時期だけ若干凹みます )
・・という状況なので、
繰上げ返済にドォ~ン!・・と500万円を投入!
した場合をシミュレーションしてみましょう。
その結果・・は、
・返済期間 : 11年短縮。
25年返済が14年になり、50代で完済。
・支払利息 : 304万円節約。
利息総額474万円が、170万円に。
すごい効果・・です。
50代で住宅ローンが無くなるのなら、
家計的にも心理的にも、すごく楽・・です。
払う予定の利息が300万円も節約できるのなら、
生涯のキャッシュフローが大きくちがってきます。
これは実行するべき・・です。
が、ここで落とし穴に注意! ・・です。
繰上げ返済で、生命保険の必要額が変化する!
・・んです。
生命保険の必要額は、以下のように計算します。
1 必要資金
〇生活費
・妻子の生活資金 : 配偶者と子どもの月間生活費×12ヶ月
×(A:末子卒業年齢( 歳)-現在年齢( 歳))
・妻のみの生活資金 : 配偶者1人の月間生活費×12ヶ月
×(B:配偶者の平均余命( 歳)-末子卒業時の年齢( 歳))
〇子供費
・教育費
: 現在~高校までの教育費(塾等含む)
: 大学 学費等
・援助資金
: 結婚資金等
〇保険料(貯蓄性)
: 月額保険料(妻の貯蓄性保険)×12ヶ月×残年数
〇車・レジャー費
・車
: 購入 ・・・・ 購入費用×生涯に買換えする台数
: 維持費 ・・ 年間維持費(車検代・自動車保険料・自動車税)
×保有年数
・レジャー費
: 現役 ・・・・ 家族との年間レジャー費×A( 年)
: 老後 ・・・・ 妻1人の年間レジャー費×B( 年)
〇住居費
: 持家 ・・・・ 住宅ローン残高(団信加入の場合は不要)
+
固定資産税額×(C:配偶者の平均余命( 歳)-現在年齢( 歳))
: 賃貸 ・・・ 家賃×12ヶ月×C( 年)
〇整理資金 : 葬儀費用等 200万~400万
〇負債 : 住宅ローン以外の借入金
〇その他 : 相続税納税資金等
◎合計 ( 一般的に、1億数千万円になるケースが多い )
2 手当可能資金
〇公的年金 : 遺族年金等の総額
遺族年金+老齢年金(配偶者の) ≒ 5~8千万円
〇配偶者の収入 : 勤労収入ほかの総額
手取り月額×12ヶ月×働ける年数 + 退職金手取り額
〇その他収入 : 不動産収入等の総額
〇死亡退職金・年金 : 会社から支給される弔慰金・死亡退職金等
〇貯蓄性保険 : 妻の既加入個人年金、学資保険金等
〇預貯金 : 現在の保有金融資産
◎合計 ( その家計によって、バラバラ・・ )
・・という算数をして、
1の「必要資金」から2の「手当可能資金」を引いた金額が
『必要保障額』・・ということになります。
赤く着色したので・・もう分かりますよね?
住宅ローンの繰上げ返済に500万円を使ってしまうと・・、
⇒ 「預貯金」が500万円・・減る。
⇒ 「手当て可能資金」が500万円・・減る。
⇒ 『必要保障額』が500万円・・増える!
ということで・・、
貯蓄がドォ~ンと減れば、保障不足になります。
繰上げ返済で、生命保険の必要額は増える!
・・ことになります。
元々の不足額と繰上げで発生した不足額・・、
220万円 + 500万円 = 720万円
さあ! ・・どうする?
冒頭のお話の・・「生涯の収入・支出で・・」
ではもう・・どうにもならない・・という場合には、
しょうがないから・・しぶしぶ生命保険で
・・ということになります。
もちろん、三角形の生命保険で・・です。
・逓減定期保険(20年)
・死亡保障額 : 720万円
40代のJさんの場合の
保険料月額は、おおよそ・・1,800円です。
ん? ・・安すぎる? ・・こんなものです。
保険屋さんのお勧め商品では、こうはなりませんが・・。
また・・Jさんの場合、
10年後に死亡保障は不要になります。
なので・・20年の契約をしておいて・・、
不要になる10年後にスパッと解約すればOK・・です。
メデタシ、メデタシ。
1,800円 × 12ヶ月 × 10年 = 216,000円
繰上げ返済の効果(節約利息) : 304万円
要するコスト(追加生命保険料) : 22万円
・・ということですね。
Jさんのライフプランニング(生活設計) 進行状況
1 ヒアリング
家族状況・家計収支・資産・職歴ほか
2 家計の現状診断
診断資料(小冊子) 問題点把握
3 生活設計 シミュレーション
設計資料(キャッシュフロー表ほか)
4 実行支援
商品選択や処理(金融商品・保険・ローンほか)
住宅・不動産・相続等の段取り・手続き
5 事後チェック
計画の実行・・進行状況、必要に応じた修正
今日の佐々木FP
メール顧問会員のKさん(40代)
(相談:ライフプランニング)
「再ヒアリング」で返ってきた資料を整理しています。
これらを元に、家計の「現状診断」の資料を作成します。
( 16ページ前後の小冊子になります )
明日中に完成できそう・・です。
《 消費者の方へ 》 質問や公開相談を希望する方は、
まず、「家計の常識を疑え!」の記事を読んでから・・どうぞ。
なお、回答は一般論にならざるを得ないことをご了承下さい。
《 顧問会員希望の方へ 》 家計の現状を診断した上で、
個別・具体的な計画資料作成と実行支援を行なっています。
「顧問会員って何?」以下の記事で、繊細を確認して下さい。
《 業界の方へ 》 コメントを頂く場合は所属・姓名を名乗り、
私同様・・個人が特定できる状況で、正々堂々とお願いします。
匿名は即 削除します。 ( 無駄な手間隙はご遠慮下さい )