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テレビ地上波初放送ということで、< 少年H >を見ました。 原作は、妹尾河童の自伝的小説で、1997年講談社より刊行。この映画は、2013年 8月に水谷豊、伊藤蘭主演で公開されたものです。
鑑賞後、なにか腑に落ちないというか、喉にひっかかる違和感を感じたのでした。 戦後派の皇子にとって、戦前・戦中の出来事は人伝に聞いたり、書物で読んで 推察するしかないのですが、主人公少年H ( 妹能河童 )があの劇中のように、 正義感溢れる発言・行動を当時したのだろうか?そして、出来たのであろうか?と。 事実を何も知らされずに、勝利をただ信じ戦争にかり立たれていったのが、国民の 実態ではなかったのかと。ましてや、少年のごとき Hに真実を洞察する力が、 あったとは思えません。
ウイキペデイアで調べてみると、やはりこの作品に対して、同世代の児童文学作家 の山中恒が< 間違いだらけの少年H >という本で、酷評したそうです。 単に年表と新聞の縮小版をふくらませて作りあげたもの、戦後の価値観や思想に 基づき、初めから結論ありきで書かれた作品であると。 ここで、胸のつかえが、とれたのでした。
言論自由となった今だから、少年Hの口を借りて当時の風潮に対する批判を、 書いただけではないのでしょうか? あの時は言えなかったから、後だしじゃんけん で発言したところに、なんだか自己正当化・偽善者の妹尾を、感じたのでした。 海中のわかめのごとく、あなたも時代に流されて右や左に、ただ揺れ動いた一人では なかったのか?、と。
この映画によって戦時下の日本の状況が映像として、戦後派の皇子にもよくわかり ました。しかし内容的には、映画芸術が2013年の日本映画ワースト10として、 この映画を7位に選出した意味も納得出来ます。ちなみにワースト 1は、山田洋次 監督の< 東京家族 >。 ただ、久しぶりに見た激太りの 伊藤蘭、蘭ちゃんの演技は、印象に残りましたが。
戦前・戦中世代が高齢化し、戦争体験を伝承出来る人が、少なくなりました。 言論統制、食糧不足、なかんずく戦場で亡くなった多くの御霊、あの戦争の悲劇を 知らずに育った、平和ボケ世代の世の中になっています。 戦争で被った計り知れない犠牲、そして敗戦によって得た自由と幸せを、私たちは いま一度思い起こす必要があるのでは。< 集団的自衛権の行使 >によって、自分 たちの子供や孫たちを戦場に、再び向かわせねばならなくなるのですから・・・
うん・・・・・< 中高年 H >がなにいうねん、てかっ・・・ 年老いても、< 愛と夢の彷徨い人 皇子 >は、女性は原始以来太陽であると崇める、 永遠の H でありまする・・なんか文句あるのう~~~~?!
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