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スイスでは 2005年に、「患者の権利および生の終末に関する法律」が成立、 世界から終末患者を受け入れています。
その受け入れ団体はDIGNITAS ( デイグニタス )と呼ばれ、医師と 看護師による自殺を幇助する組織で、これまで自らの意思で死ぬ「自死」のために、 ここを訪れた人は1000人を超えているそうです。
尊厳死というこの重いテーマを、ラブストーリーとして視聴者に問いかけたのが、 昨年の10月に公開された、映画< 世界一きらいなあなたに > 原題< me before you きみと選んだ明日 >。
原作は、世界40カ国以上で翻訳されたベストセラー小説、「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」。その作者がジョジョ・モイーズ自身が脚色し、映画化 しました。
イギリスの田舎町で、ルーことルイーザ・クラーク(エミリア・クラーク)は失職を 機に、交通事故で車いすの状態になってしまった、青年実業家ウィル・ トレイナー( サム・クラフリン)の介護と話し相手をする、期間限定の職に就きます。
生きる意志を失っていたウイルは、当初ルーに冷たい態度を取り続けます。 それがこの映画名の邦訳、< 世界一きらいなあなたに >につながるわけです。
美人とはとてもいえないルーですが、彼女の天真爛漫な明るさと優しさが、凍り 付いていたウイルの心を少しずつ融かし、開かせていったのでした。 お互いへのそのような気持ちは、いつしか相手を大切な存在と思う愛へと、変化 したのでした。
しかしウイルは、 既にスイスでの自死を決めていたのでした。 それを知るところとなったルーは、愛の告白によって自死を思いとどまらせよう とします。
はたして、このラブストーリーの結末や、いかに???
医者から不治の病であることを告知され、余命いくばくもないと悟った時、 貴方はそれをどのように受け止め、いかなる行動をとりますか? そして、愛する人が余命いくばくもないとわかった時、貴方は相手にどのように 接しますか????
この尊厳死の問題は、昨年CATV で< 母の身終い >を見た時、大変ショック を受けた事を思い出しました。 原題は A FEW HOURS OF SPRING、2012年に 制作されたフランス映画で、日本では2013年11月に公開されました。
こちらの物語は、麻薬密売で服役していた男( ヴァンサン・ランドン )が、 出所後年老いた母親イヴェット(エレーヌ・ヴァンサン)が一人で暮らす家に、 身を寄せます。
しかし再就職も思うようにいかず、昔から確執のある母と何かと衝突してばかり。 そんなある日、アランは母親が末期の脳腫瘍に冒され死期が近く、スイスの施設で 尊厳死を実行しようとしていることを知ります。
母の究極の決断を尊重し、そしてスイスの施設で服薬の上、尊厳死する母に立ち会う 息子。母は誰にも迷惑をかけずに、自分の人生を自分で閉じたのでした。
「できる限りのことを」と頼むケースが多いとのこと。患者は自ら死を選べず、 苦しみのなかで息を引き取る。
一応「尊厳死」は認められてはいますが、あくまで消極的な安楽死で、医師の薬物 使用は許されません。
人間は死を意識したとき、必ずどう死ぬかで悩みます。でも、その悩みを医師に打ち 明ける患者はいないそうです。
ことは、患者にとっても家族にとっても、そして医師にとっても合理的であり、かつ 人間性を尊重したことにならないでしょうか?
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