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想い出は心の宝石箱に。。。

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2019.09.13
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カテゴリ:創作
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    ==   第五章   ==

 

   薄れゆく意識の中で、自分の体を通り過ぎていった男達が、明美の脳裏に次々と

   蘇ってきた。



  神部に無理やり処女を奪われ、性的に女として< 調教 >されてきた。どうすれば、

   男を喜ばせることが出来るのかと。明美はそれをもって、多くの男たちと交わって

  
きた。


    所詮男たちは、自分がステップアップする為の、いわば捨石。真の意味で心から

    愛した男は、一人としていなかった。神戸にしても、犯されたという事実は別に

 して、
むしろそれを逆手にとって<情婦>としての地位を、確たるものにしたに

 
過ぎない。



   金銭的な援助や、社内での地位の確保は、肉体的提供の代償として
決して、小さな

 もの
ではなかった。女一人でこの世を生き抜いていくには、仕方のない処世術

 だったのだ。


   時給換算 千円にも満たない給料では、生きていくだけで精一杯。明美が夢見た

 華やかな
生活は、望むべくもなかったから。

 

 

 

             ビジネスウーマン オフィスで働く若い女性 38408241    

 



  しかし、大阪在住のパトロンの援助で、ジョルジュのママとなってからは、
金銭的

 な
目的で男を漁るという意識は失せていた。ジョルジュからあがる利益に
ついて

 は、
彼と折半という約束ではあったが、情婦としての月々の御手当がそれ
以外に

 
あった。だから経済的にも申し分のない、生活基盤が出来上がっていた。



   彼は、細かいことには口をださず、明美のやりたいようにやらせてくれた。

   早くから両親を亡くした明美にとって、包み込むような彼の人間的な大きさに、

   惹かれていたのも間違いなかった。その意味で、パトロン以上の存在かも

 しれない。

   
   

   それが、なんでこんな男の手にかかって、殺されなければならないのか・・・

 

 


 ( どうだこのまま、ひと思いに死ぬか? )


 ( ・・・・・・・・)


 ( いくときに、こうやって首を絞めると、最高のエクスタシーが訪れるそうだ。

   ためしに、やってみるか? )


 ( く・・る・・し・・い・・・ )

 



   首にかけていた手を緩めると、不気味な笑いを残しながら、国頼はベッドを

 
離れた。

 

 

 

       マンションLEDの明かり 8279809                          

 


  ホテルから逃げ出すように、明美は宮町のマンションに戻った。

   南向きに面している明美の部屋は、こぼれるばかりの陽射しを受け、
冬でも

 日中は
 暑いぐらいである。しかし、夜も更けた今の時間になると、冷気が支配し、

 暗闇と
孤独感が明美を迎えたのであった。



  総ての部屋に灯りをつけ、クリーンヒーターに点火した後、疲れた体を
ダブル

 ベッドの
上に、明美はそのまま投げ出した。


  国頼の目的は、父親の死に対する、単なる復讐なのだろうか?

  男は、国頼の息子だと正体を明らかにしただけで、具体的な金銭的
要求などは

 ない。



 では、何をもって償え、というのだろうか?


   国頼とのこれまでの会話を反芻しながら、明美の気持ちは暗くそして深い奈落の

 底へと、
落ちていった。

       

 

            眠れない若い女性 33620123




  まんじりともせず迎えた朝、静寂を破って電話が鳴り響いた。


 ( よく、眠れたか? )

 

( ・・・・・・ )



 ( うふっ・・眠れるわけがねえ~よな。)


  含み笑いと共に、くぐもった声が聞こえる。



 ( さ~~て、この落とし前どうやって、つけてもらおうか・・?   )


  
  そう呟くと、国頼の電話は一方的に、切れたのであった。

 

 

 

 
  走る犬のgifアニメ     == 続く ==   走る犬のgifアニメ走る犬のgifアニメ    

          

 

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Last updated  2019.09.13 12:03:37
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