想い出は心の宝石箱に。。。

　私の中東長期出張のベースは、サウジアラビアの西側の都市、​​​​​​ジェッダ​。

　弊社は西がジェッダ、内陸がリヤド、東はダンマンに​​​​事務所を開設していました。

　ジェッダからサウジ国内、イラク・ＵＡＥ・イエメン・ヨルダン・シリアなど

　の周辺諸国へ飛び立ったのでした。

​　
   サウジは中東諸国の中でも、​イスラム戒律​が最も厳しい国。
 ​

​　イスラム社会は​男尊女卑​の世界であり、女性は家族以外の​男性に対して

   髪や顔を隠すように求められています。​​黒いベール​​に全身を覆われ、目だけが

   キラキラ輝いている若い女性に出逢うと、ドキッとします。　


            

 
  ＜　目は口ほどに、ものを言い　＞なんて・・・

​​　ただ、ベールを脱いだ後、​上沼恵美子​のような顔が出てきたら、

　どうしまひょっ・・コロナ禍でマスクで隠された素顔も、同じようなものか？！​​

​
　また、公共の場では男女を一緒にしないとの規則から、バスなども

​　男性・女性の乗降口が異なり、中には仕切りがあるのです。私は滞在中ホテルに

　宿泊したのですが、ホテルのプールにも何時から何時までは男性、何時から

　何時までは女性と、泳げる​時間帯も​男女別​に規定されている表示が、掲示

　されていました。
​

​  現在は女性が、​自動車運転免許​取得可能となったように、随分と近代化

　しましたが、当時​​女性が働ける場所は​医療・教育関係​のみに、限定されて

　いました。

​

​​　従って、​事務所​には女性は一人もおらず、ゼネコンの飯場ごとき​​殺伐とした

　雰囲気。

　かわいいおじょうさんが、コーヒーを入れてくれるのではなく、現地の

　こきたないおじいさんが、＜　チャイ～～～？！　＞と、​甘たるい​紅茶​を

　入れ廻っていました。

 
          ​

　たとえへ美人でなくても、オフイスに女性がいるという事は、周囲に安らぎと

　潤いを与えるようで、男ばかりになりますと邦人社員間で、毎日口論や喧嘩が

　絶えません。

　​​​単身赴任者及び出張者​は、​社宅​で日本人コックさんが料理した​​

　食事をとっておりました。アシスタントのインド人が料理人をつくる時があり、

　味ががくんと落ちるので、彼が不在であることが、それでわかってしまうのです。

​​　サウジ事務所の勤務時間は、8時30分～12時30分、16時00分～20時00分まで。

​​　昼間は、​50度​近くまで気温が上昇するので、現地ではお昼寝時間​​となります。

　ところが、駐在員はお昼寝もせずに、麻雀やおいちょかぶ​、ちんちろりんに興じ、

　社宅は​賭場​と化します。


    ​

　（　ロン、はあ～～い、それ当たり！！　）

　（　なんやねん・・おまえ、これ大丈夫と、言ったがなあ～～！　）

　（　なにか、それが？？？　）

　（　くそう～～～・・・　）

　麻雀台をひっくりかえし、取っ組み合いの喧嘩が・・・



              

​　

   そんな仲間を冷たい目で眺めながら、悠愛はひたすら​読書​に​親しんでいたの

　でした。

　＜　忍者ハットリくん　＞とか　＜　ドラエモン　＞とか・・・・・

　　　　　　＝＝つづく＝＝　　　　​​

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