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カテゴリ:本
![]() 久々の百けんセンセイ。といってもバッグの中には常に「御馳走帖」とか「百鬼園随筆」などが忍ばせてあるのだけど。今回読んだ『写真帖』は、全24巻からなるちくま文庫の「内田百間集成」の最終巻。タイトルのとおり、百鬼園先生(1889~1971)の幼少期から晩年までの豊富な写真に書簡や、自宅の間取りまで収録。文章は、代表的な著作からの引用が写真のテーマに合わせた形で挿入されています。大きな頭に丸眼鏡、口をへの字に結んだ、いかにも癖のありそうな先生の写真は見飽きることがありません。失礼ながら。 この本をさらに楽しくしているのは、石田千、久世光彦、阿川弘之の三氏が文章を寄せていること。石田千さん(「月と食パン」や「踏切趣味」の著者で、僕のお気に入りの作家さん。同年代。)が先生と愛猫のノラやクルツについて書いたものはついついホロリとさせられるし、久世さん(演出家・作家)は百間先生の「サラサーテの盤」の世界に迷い込み、阿川さんはセンセイと共通の趣味、陸海空の乗り物についても触れながら、作品の印象などを語っている。この一冊もバッグの中の常連さんになりそう。 ただ、ちくま・岩波・新潮など今出ている文庫版は中公文庫を除いて、仮名づかいや漢字が現代のものに直してあるのだけど、旧かなづかいで作られてる本のほうが読んでいて味わいがあって良いなぁ、と近頃思っています。ぜひオリジナルな形で出版してほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 25, 2006 11:12:42 AM
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