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カテゴリ:おしゃべり・ミニネタ・身の回りのこと
水沢市街地で、一風変わったアーケードを見つけました。
一目では「ただのアーケード」にしか見えませんが、よく見ると、歩道を覆う屋根は連続した構造になっておらず、各間口ごとに作ってある事が判ります。 各間口の庇がそのまま歩道を覆っている形です。 (但し、隣家との境目は、ちゃんと繋げてあるので、歩行者が濡れる事はありません) もう一点、普通のアーケードと違うところがあります。 最も手前の商店の建物を見てください。 歩道の上に建物が迫出しています。 こちらは、覆い屋根の外装を統一していますが、間近で見ると、やはり同じく各間口ごとに覆い屋根を作ってあり、その上に一部建物が迫出しています。 北国東北地方では、その昔、このような構造物で歩道を覆っていました。 2003年5月 青森県黒石市で撮影 雪国では、各商家が自宅の軒先を歩道に提供し、庇をかけて歩行者の利便を図っていました。 このような造りを「こみせ」、あるいは「雁木」(がんぎ)といいます。 (全国的、学術的には「雁木造」の呼称が一般的) 現在でも、青森県黒石市や弘前市など、雪の多い地方の古い商家では、雁木造が残されています。 車道と歩道との間に板柵を設け、吹雪が吹き込まないような工夫も一部の物件で見られます。 特に黒石市の物件は現在でも通りの両側に雁木造「こみせ」が軒を連ね、文部科学省の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。 2003年5月 青森県黒石市で撮影 現代、建設または維持されているアーケードは、行政や商店組合が設置した「歩道の屋根」が主流ですが、水沢市のアーケードは、まさしく「現代の雁木(こみせ)」といえるのではないでしょうか。 水沢駅から駅前の通り(ここは普通のアーケード)を直進、メイプル(旧ジャスコ水沢店)の十字路を右に曲がると、この光景が見れます。 ブログランキングクリック♪ 「雁木」の本 菅原邦生著(2007年1月発行)雁木通りの研究、住宅総合研究財団、丸善。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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