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カテゴリ:おしゃべり・ミニネタ・身の回りのこと
温水路…冷たい水を、田んぼに引き入れるまでに温めるための設備です。
川の流路(または人工水路)に、砂防ダムのミニチュア版のような人工の淀みと滝をいくつも造り、水の流れが淀み→滝を流下…を繰り返すうちに水の温度を上昇させるという設備です。 稲を育てるには、ある程度水温が高くなければならず、雪解け水や地下水湧水が大量に流れている川の水をそのまま田んぼに使うことは出来ないのです。そこで、この「温水路」を通すと、平均で4~8℃上昇するということです。 秋田県の鳥海山ろく、特に、旧象潟町に集中して見られ、現役で使用されています。 その中でも、象潟町から鳥海山矢島口方面への県道沿いには、特に集中しているところがあり、「上郷温水路群」と名称がつけられています。そしてこれは、「土木学会選奨土木遺産」に指定されています。 現地には説明看板があって、「融雪水による冷水温障害克服を目的として考案され、日本で初めての温水路群であり、連続する落差工の美しさが自然に溶け込み、当時の姿を現在に残している貴重な土木遺産である」と紹介されています。 現地で見たのは、上の写真の「小滝温水路」。一帯にはほかに大きなもので4本の同様の設備があるそうです。 象潟町から中島台レクリエーションの森(獅子が鼻湿原、あがりこ大王、でつぼ)に向かう途中の県道のすぐ脇にありますので、車を路駐してすぐ見学可能です。 「上郷」以外にも鳥海山麓に点在しています。これは「金浦温水路」。あいにく水の流れはありませんでしたが落差工が良く分かります。これはコンクリの施工の様子から見て、近代の施工ですね。 これは「岱山温水路」。集落の中に落差工が作られています。ここは上郷と並んで有名で、地理学巡検ではしばしば取り上げられます。 訪れる場合の目印は、「上郷」は路肩に建てられた案内看板、「金浦」「岱山」の場合は道路の橋の白看板に明記されています。 上郷温水路群 象潟市街から中島台、鳥海山祓川(矢島口)方面へ15分ほど。 公共交通の場合はタクシー。 岱山温水路 象潟駅から羽後交通バス桂坂ゆき、釜が台ゆきで「横森」下車すぐ。 (本数注意) 地域情報「東北」 たつみ寛洋ホテル 当日競り落とした新鮮な魚介料理と天然温泉が自慢 象潟市街地にあり、交通至便。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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