自称、新米のタオイスト・
加島祥造氏の著作にはまりかけている。
タオとは「道」、老子の説いた思想である。その生き方を学ぶというより、自分の生き方がいかにもそれに近いということを確認しているだけなのかもしれない。
先日読み終えた『
老子と暮らす 知恵と自由のシンプルライフ』(光文社刊)は含蓄に富んだ良書だ。同氏の明快な『老子』の口語訳『タオ-ヒア・ナウ』の一部と随想百篇余りから成る。適当に引用して紹介してもよいのだけれど、関心ある方は通して読むことによりぜひ加島ワールドの豊かさに直接触れてもらいたいと思うのである。
きのう書店で「
十牛図」に関する分かりやすそうな解説書をパラパラ立ち読みした。こちらは禅の教えだ。「~しなければならない」ではなくて、「してもいいし、しなくてもいいのだ」などということがまことしやかに論じられていた。世の多くの人は、そのあたりの価値観の転換に難儀しているのだろう。幸い私は過去の人生の中で(もしくは先天的に?)その部分はクリアしているらしい。自分では「悟りの境地」にかなり近いところで生きているのではないかと自惚れている。この能天気さ加減がいよいよ「悟り」の本質のように思えてならない。
話が逸れたように見えるかもしれないが、これもタオの本質と極めて近いところにあるように私には思える。「めでたいな、めでたいな」と何ごとも楽天的に処理しながら生きられればそれに越したことはない。
世間では相変わらず悲しい出来事や憤ろしい事件が後を絶たず、ますますやりきれなくなってしまいがちなので、あえて能天気なことを書いてみました。
かわいい河豚の土鈴