大阪と言えば、たこ焼き。屋台を引いて来て、近所で売っていた名物ばあさんがいた。さすがに夏はあまり売れないので、夏だけわらびもちにかわった。高度経済成長時代の話だ。
その屋台のすぐ近くにお菓子屋兼パン屋さんがあった。その店の夏の名物はよく冷えた冷やしあめ。ぎんぎんに冷えた冷やしあめを一気に半分ほどあおった後、カンカン来たなどと言いながら自分の額を叩いているお客さんが、夏の昼下がりから夕方にかけての風物だった。
私はそういう環境で育ったから、このわらびもちも冷やしあめも日本全国にあるものだとばかり思っていた。もちろん日本全国津々浦々に大型スーパーが進出している昨今のことだから、どの店にも置いてはあるのだろうが、売れ行きのほどは関西とは比較にならないはず。
さて話を冷やしあめに絞ろう。ご存じない方には、生姜湯の冷えたものに近い飲み物と言えばわかってもらえるか。とろみがあって甘いと言えば甘い。ぬるいのはいただけない。生姜が入っているので、健康飲料でもある。暑気払いに最適だ。
なぜいきなりこんな話をし出したかというと、ワンカップの冷やしあめをスーパーで見つけ、それが昔飲んだ味にすこぶる近かったからだ。
今までも、ビン入り、缶入り、紙パック入りなど何種類か出回っていて、たいていは味見したのだけれど、どれもイマイチだったのだが、今回見つけた桜南(おおなん)食品のは、贈答用詰め合わせもあるくらいだから、かなり自信を持ってお薦めできる。カップの模様も何種かあって、全種類集めてみたい。