カテゴリ:映画
夫婦50割引なんてのがあるもんで、あえて混み合う映画の日に観に行くことなどついぞ無かったのですが、きのうは奥さんの観れない類いの映画だったので、一人で行ってまいりました。 「父親たちの星条旗」です。奥さんはかつて我が家で「プライベート・ライアン」の冒頭25分の戦闘シーンを観ていて気分が悪くなり、そのままベッドに倒れ込んだ人です。だから今回はパス。ただ私の印象で言えば、「プライベート・ライアン」や「シン・レッド・ライン」に比べれば「星条旗」の方がましかなと思うのですが。因みに一番胃にこたえたのは「南京 1937」でした。 おまけに奥さんには外国人の顔の識別がつかないという弱点がありますので、今回のは行かなくて正解だったかもです。「男たちの大和」は大丈夫だったので、次作「硫黄島からの手紙」は連れて行ってみようと思います。渡辺謙、中村獅童、二宮和也など、奥さんお気に入りの俳優さんにも会えることだし。 さて、きのうは16:10からのを観るつもりで自転車を走らせたのですが、しばらく自転車に乗っていないので足がだるく、思うようにスピードが出ません。ぎりぎり間に合うはずだったのですが、窓口に着いたのが16:16。入れますよね、まだ予告編ですよね、と尋ねると、本編に入りましたがまだ1分しか経っていないのでどうぞと受付嬢。ただし総入替えですから、観ていない分を観ることはできません。 私は初めて観たり読んだりするものは頭の頭からでないと気が済まない性質なので、19:00始まりのを観ることにしました。(そんなことはどうでもいいから、早く映画の中身について喋らんかい、とお焦りのお客様、まあまあ落ち着いて。あんまり期待されるとがっかりされますよ) 前置きが長くなりました。この映画、下の字幕を読んでいると突然右端に縦書きの字幕。慌てて視線を移すと兵士の役職身分と名前。また字幕を読んでると今度は左に名前。と、それだけでパニックになりそう。と、突然時間が飛んで現代に。戦争の悪夢にうなされて目覚めるシーンというのは戦争映画の常套手段ではありますが、戦場と現代の狭間に英雄持てはやされ時代というエピソードを挟んだのがこの映画の真骨頂。 国が戦費調達のために国民に国債を買ってもらわなければならないという事情の下、国家によって創出された英雄という名の虚像がそのために一役買わされます。その一つ一つのエピソードがどれも、哀しいぐらいにリアルなのです。 硫黄島の頂上に星条旗を立てる米兵達というあの有名な写真一枚の裏に、これほどのエピソードが隠されていたのかという新たな発見。 戦争映画にもいろいろありますが、凄惨悲愴な戦闘シーンに加えて、これほどまでに国家仕立ての茶番を浮き彫りにした映画はかつて無かったのではないでしょうか。クリント・イーストウッド。いやあ、大した監督が出て来たものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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