娘から借りている数枚のDVD、始めの10分ほど観て、これはもういいやと放棄したものもありますが、これぞ映画!と膝を打ったものもあります。そんな一枚「パヒューム ある人殺しの物語」。
ちらしに「本年度アカデミー賞最有力!!」と銘打ったその自信のほども決して誇大宣伝、偽装の類いとは思えません。
残念ながら18世紀のフランスに行ったことはありませんが、さもありなんと思える濃密な空気が全編に漂っております。冒頭からぐいぐい引き込む力はさすがです。グロテスクな場面も多々ありますが、映像の魔術で美しく見せてしまうというのも魅力です。
中折のちらしに10ほどの場面が写真で紹介されていますが、その中にも無く、私もネタバラシしたくないシーンが最後の方に出て来ます。その場面は、映画特有の雄弁さで聴衆の思想や感性や価値観をぐらつかせてしまう迫力があります。これぞ映画の醍醐味、面白さだと思うのですが、「ベン・ハー」や「マグノリア」同様、一生私の記憶から消えることの無い映画になりそうです。
(注意)この拙ブログの訪問者で蛙嫌いの方がおられますが、その方は間違っても(たとえトム・クルーズの大ファンだとしても)、決して「マグノリア」だけはご覧にならないように。失神すること請け合いです。