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つれづれ浮世草

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2008年01月28日
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カテゴリ:映画

 テレビなどでも大々的に宣伝している新春映画「母べえ」観てきました!


 さすがは山田洋次監督だけあって、彫りの深いというか懐の深いというか、つまり薄っぺらでない作品に仕上がっておりました。とかくこの手の映画やドラマは押し付けがましいものになって失敗するケースが多いですが、主要な登場人物の全てに生きた血が通っていたといっても過言ではなく、戦中の時代精神とか生活臭が見事に描かれていると思います。

 戦争を知らない世代の私たちがもしあの時代に生きていたら、どのようなタイプの人間として生きていただろうかなどと考えながら観るのも面白い(と言っては語弊がありますが)かも知れません。

 以前の私なら、たとえ獄中で拷問にあったとしても意志を曲げない人間でありたいと思いましたが、今なら安々と転向する組に入ってしまうかもしれません。死ぬ前に一度だけ家族に会いたいという気持ちに克つ自信は残念ながら無いと思います

 しかし考えてみれば、そういう踏み絵のような究極の選択で人間を試す(実存主義哲学の十八番ですね)前に、そういう時代が到来しないように、きな臭い世の中の動きに敏感になることが大切だと思います。今の教育現場では日の丸・君が代が既にその役割を果たしています。

 自由に物が言えない社会、近所やクラス内でお互いに監視し合うシステム、そういうものがじわじわと出来上がりつつあるように感じているのは私だけでしょうか。今あえてこの作品を世に問う監督の意図もその辺りにあると思います。

 蛇足ですが、鶴瓶師匠演ずるヒロイン母べえの叔父さんの存在は、この閉塞状況の中では一服の清涼剤の役割を果たしていて、反感と同時に言い知れぬ頼もしさ・愛しさを感じさせてくれました。






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Last updated  2008年01月28日 22時03分21秒
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嫌好法師@ Re[1]:初吟行(10/19) 象さんへ >コロナがようやく下火になり…
象さん123@ Re:初吟行(10/19) コロナがようやく下火になり初吟行ですね…
嫌好法師@ Re[1]:初吟行(10/19) ★紺桔梗さんへ >歳時記を持ち歩いていた…
★紺桔梗@ Re:初吟行(10/19) 歳時記を持ち歩いていたとしても、疑わな…
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