カテゴリ:日本経済
クロニクル 戦後初の国債上場
1966(昭和41)年10月1日 42年前になりますが、この日、敗戦後はじめて、国債が東京・大阪両証券取引所に上場されました。 戦争中に戦費調達のために乱発された戦時国債は、戦後の悪性インフレで紙くず同然となりました。その反省から、戦後の日本は、歳出を歳入に合わせる緊縮財政を撮り、財政収支の赤字を極端に嫌う財政規律を重視した政策運営を続けてきました。 しかし、1964年のオリンピック特需が消滅した後の、戦後最大といわれる不況の中で、財界の要望に押された佐藤栄作首相と福田赳夫蔵相は、65年11月、補正予算編成に必要だとして、2,590億円の赤字国債の発行を盛り込んだ補正予算案を,国会に提示しました。この案は翌66年1月19日に国会を通過、諸手続きを経て、同月29日、戦後初の国債が発行を見たのです。 最初は僅かでも、一度口にした禁断の実は、忘れられず国債発行額は瞬く間に増え、とりわけ73年秋の第一次石油ショック以降、急増に次ぐ急増を続け、79年に大平首相が、財政再建を掲げて大型間接税の導入を主張し、その10年後の竹下内閣の下で、消費税の導入が決定しても、なおも増え続け、今では800兆円の大台を超えるまでに膨張してしまっているのです。 ところで、10年前の1998年、当事の日本の金融危機の中で、小渕内閣が100兆円もの国債を発行して景気刺激を試みながらも、景気浮揚に成功せずに、赤字ばかりを膨らませて10年、今年中に100兆円の国債の満期が来るのです。 米国発の世界金融危機の最中、100兆円もの国債、すんなり返せるわけもなく、政府は借り換えでしのぐつもりなのでしょうが、この金融逼迫のご時勢の中、果たしてうまく借り換え出来るのですかねぇ。 アメリカの心配も結構ですが、お膝元もかなり危なげですよ。皆さんもどうぞご注意を‥ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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