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テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:小説
角田光代さんの作品
第2回 中央公論文芸賞受賞
ある日季和子は不倫相手の家に忍び込んだ。 赤ん坊を見たかったのだ。 しかし、泣いている赤ん坊を抱き上げ、その笑顔を見た時、彼女は動けなくなる。 「私はこの子を知っている。そしてこの子は私を知っている」
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。 理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。
前半は誘拐犯である希和子の日記形式。 逃げ、おびえながら、こどもと共に暮らす彼女の言葉で描かれ、 後半は誘拐され4歳の時に実の親元に帰され、成人した恵理菜の苦悩と生活。 しかし恵理菜は千草と知り合うことで事件のことを振り返り始める。
前半は季和子の母としての愛情の深さを感じます。 どうしても季和子に感情移入してしまいます。 が、後半、季和子の罪を実感。
誰も見たことのない世界を見た者は、苦しむかもしれないけれど ただそれだけじゃないって 心の変換が出来ると次へ踏み出せるのかな・・・
太田光さんのように号泣、人生観が変わる、とはいきませんでしたけれど 最後は本当に心に響きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月22日 11時07分24秒
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