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白山菊理姫

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2004.11.21
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テーマ:中国&台湾(3292)
カテゴリ:歴史箱
今日は、昨日東京・銀座で開かれた日本徐福会(早乙女貢会長)主催の文化講演会「徐福論――なぜいま“徐福”なのか」(講師:逵(つじ)志保・愛知県立大学文学部非常勤講師)にちなんで、徐福伝説について書きます。「ハーバード経済日誌」はお休みさせていただきます。

徐福とは今から約2200年前、秦の始皇帝の命を受け、不老不死の妙薬を求めて日本に来たのではないかとされる人物だ。実在したことはほぼ間違いないとみられるが、本当に日本に来たのかは判明しておらず、その部分が伝説として残っている。

徐福については、司馬遷『史記』秦始皇本紀第六に出てくる(訳は逵志保氏)。
始皇帝28年(B.C.219年)
 斉の国の方士徐福(徐市)は始皇帝の命を受け、東海の三神山(蓬莱、方丈、瀛洲)に、童男童女数千人とともに不死の薬を求めて船出した。ところが薬を入手することなく帰ってきた徐福は始皇帝に進言、再び良家の男女子三〇〇〇人と五穀の種や百工(技術者)を用意させた。徐福は渡海し、平原広沢を得て王となり帰らなかった。

ここで妙なのは、始皇帝の命に反して徐福は二度と帰ることがなかったのに、どうして渡海先で王になったことがわかるのかということだ。可能性としては三つぐらいある。司馬遷がただ風説を歴史として書いた、徐福の船団の一部が徐福が渡海先で王となったのを見届けて中国に帰って報告した、そして、後に徐福が王となった国に渡った中国人が帰ってきてそのように伝えた、の三つだ。

歴史を書くからには、情報の出所を書くのが鉄則である。歴史家ではないが、哲学者のプラトンのアトランティス伝説でさえ、エジプトの神官から聞いた話として紹介している。そもそも王となったと書くからには、どこの国で王となったかをはっきりと書いてほしかったが、司馬遷が正確に歴史を記述してくれなかったため、多くの謎と伝説を残してしまった。

お気づきのように司馬遷の記述には、日本へ行ったなどとは一言も書いていない。ではなぜ、日本に行ったという伝説が生まれたのか。昨日の講演では、その点についてよくまとめていたので紹介する。

逵さんによると、「後日談」として徐福が日本へ渡来したことが出てくるのだという。しかし、それは徐福が渡海してからなんと1000年以上も経った958年、釈義楚『義楚六帖』21に出てくる記述で、徐福が日本へ行ったと日本の僧から聞いたのだという。その真偽はよくわからないが、少なくとも一〇世紀には日本で徐福来日伝説が出来上がっていたことになる。

さらに1376年の絶海中津「應制武三山」では、絶海が明の太祖に面会を許されたとき次のような句を交わしたのだという(訳は逵志保氏)。
絶海
熊野の峰前 徐福の祠
満山の薬草 雨余に肥ゆ
只今海上 波濤穏やかに
万里の好風 須らく早く帰るべし

大明太祖高皇帝
熊野の峰高し 血食の祠
松根の琥珀 也た肥ゆべし
当年 徐福 僊薬を求め
直に如今に至るまで 更に帰らず

つまり一四世紀には、日中両国において徐福が熊野に渡ったという伝説が共通の認識としてあったことになる。

逵さんによると、日本の徐福渡来伝承地は熊野を含め、全国に二〇数箇所あるという。このうち熊野の波田須の楠の下には徐福神社があり、そこからは秦の始皇帝の時代の古銭が多数(現存は一枚)見つかったという(発掘状況が不明瞭なため物証にはならないらしい)。

面白いのは、徐福のことを天皇家の祖先である神武だと信じている中国の人が多いということだ。当時の中国の軍事・科学技術力をもってすれば、弥生時代に日本で王になるのも難しくはなかっただろう。ただし表向きには中国の人も「徐福は弥生時代に日本に渡り、日本各地に中国文化をもたらした」としか言わない。

確かに、神武東征の神話では、神武は大和地方のニギハヤヒの軍に一度敗れ、今度は東側から攻めようと熊野から大和に向かったとされており、徐福伝説とダブル部分がある。もっとも、神武は実在したかどうかもわからない人物で、徐福も日本に渡来したかどうかわからない人物だ。伝説と伝説を結びつけても、歴史は生まれないと言われれば、それまでの話かもしれない。

明日は「ハーバード経済日誌」に戻ります。





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最終更新日  2004.11.21 11:31:24
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